魔法の師匠。5
「いやなことがあったんだね。よしよし……」
「えっ? リエラちゃん?」
「リエラもいやなことあったら、お兄さまとお母さまがリエラの頭をなでなでしてくれるの。だから、よしよし……」
「ああ、天使……やっぱりロリは世界を救うのよ!」
リエラの体に抱きついてエイネスは体に顔を埋めた。
「……リエラちゃん。一つだけお姉さんのお願い聞いてくれる?」
「うん!」
「……お姉さんとお風呂に一緒に入ってくれる?」
「おふろ? うん! いいよ!」
「ありがとう……うふっ……ぐへへ……ロリと一緒にお風呂……」
リエラに抱きついていたエイネスは口からよだれを垂らしながら今までにない邪悪な顔をしていた。
俺とリティスはそれを見て慌ててリエラとエイネスを引き剥がそうと駆け寄って2人の体を掴む。
「離れなさい!」
「僕の妹から離れて下さい!」
「いーやーよー!! スーハースーハーああ、ロリのぷにぷにのおなか……スースー。ミルクのような甘い香りがしてさいこぉー!!」
エイネスはリエラのお腹に腕を回しててこでも動かない。
絶対に離れないエイネスにリティスの怒りのボルテージが上がってきている。
このまま膠着状態が続けば妹のリエラも危ない。そう考えた俺はエイネスの前に両手を広げて叫んだ。
「お姉ちゃん! リエラだけずるい! 僕にもスリスリして!」
「……リオンくん!!」
エイネスはすぐにリエラから離れると、俺に抱き付いてきた。
「うんうん。リオンくんもお姉ちゃんに冷たくされて心を痛めてたのね……ごめんね。今度はリエラちゃんと一緒に可愛がって上げるわね」
俺はスリスリされながら、感情を殺していた。
可愛い妹を救うためならこれぐらいの我慢はなんともない。
「クンカクンカ、スーハースーハー、リオンくんはお日様の匂いがするわねぇ~。ショタのお腹もさいこぉ~!!」
正直、今後の魔法を教えてもらうというエイネスとの関係を考えれば俺が犠牲になることで収まるのであれば、自らを生贄に捧げるこの方法は正解なのかもしれない。
「もういい加減にしろぉー!!」
我慢の限界を迎えたリティスは俺のお腹に顔を押しつけて抱きつくエイネスの頭を思い切り殴った。
「ぐげぇええええええっ!!」
エイネスは潰されたカエルのような断末魔を上げて倒れた。
だが、気を失ったエイネスの顔は満足そうであり昇天するように穏やかだった。




