魔法の師匠。3
エイネスは杖を持ってその文字を杖の先で差した。
「さあ、授業を始めますよぉ〜。良い子は注目! まずは基礎、魔法とは魔力の総力で初級、中級、上級と分かれます。これは知ってますね?」
エイネスはそういうと杖を振った。
その直後、エイネスの杖の先から出た水の球が空中に浮かび上がる。
「水よ。根源を表せ! アクアバブル! これが初級魔法。そしてこれが中級魔法……水よ。変現せよ! アクアクリエイト!」
空中に浮いていた水の球がドラゴンの姿になって地面に着地した。
「込める魔力の量で魔法は状態を変化します。そして……火よ。全てを燃やし尽くせ! ファイアフレイム!」
エイネスか再び杖を振ると、ドラゴンを模っていた水が沸騰したようにブクブクと激しく沸き立つと湯気になって消えた。
「これが2属性を混ぜ合わせる複合魔法。火と水を合わせると互いに打ち消し合います。それに風魔法を使うと……風よ。水よ。氷と成りて顕現せよ! アイスクリエイト!」
水蒸気になって消えた湯気が再び風によってまとまると、氷の粒子が発生して再び結晶化したドラゴンを模った氷像が現れる。
「このように、水と風を合わせると氷魔法になります。これが2属性の魔法を合わせた相性の良さで、能力を強化することも、さっきみたいに消し去ることもできます。今日は空気中の見えない水蒸気を魔力で固めて水を生み出す練習をします! できなくても気にしなくていいからねぇ〜。私がコツを手取り足取り教えてあ・げ・る」
エイネスがそう言って胸の谷間を見せるように前屈みになってウインクする。
俺はそれを無視して魔法の分厚い本を読んでいた。
「まったく、この子はつれないわねぇ〜。この子くらいの年の子はお姉さんのセクシーな仕草にドキドキしてくれて楽しいのにぃ〜。まあ、つれない子ほどお姉さん燃えてきちゃうわぁ〜」
エイネスは体をくねくねしながら唇を舌で舐めて頬を赤らめた。
俺とエイネスのやり取りを他所に、リエラは両手を前に突き出して顔を真っ赤にしながらフンフンと言って踏ん張っている。
まあ、そんなに早く5歳の女の子に魔法が使えるわけ……
「お兄さま! リエラできたよ!」
「……なにっ!?」
驚いてリエラの方を向くと、確かにリエラの小さな両手から水の球が浮いている。
「すごいぞリエラ! さすが僕の妹だ!」
「えへへ! あっ……」
リエラを褒めたらにこにこと笑っていた彼女の小さな両手の先でふわふわと浮いていた水の球がパンッ!っと弾けた。




