リオンの真の実力10
「それにしても、あの重傷を瞬く間に完治させるとは……腕は上がっているようだな。エイネス・リティス」
「あら、リオンくんのついでよ。ランベルク……いえ、私の弟子。ランベルク・エイデル」
黒い魔法使いのような帽子を被った紫色の長い髪に紫色の瞳の少女は悪戯に笑う。
年齢は17歳くらいに見える。明らかにランベルクの方が年上に見える。
「魔女が……あれから20年は経ってるのにあの日から何一つ変わらない。千年生き続けているという噂もあながち嘘ではないな……」
「あら、小さい頃は可愛い子犬のように従順だった貴方が、可愛げのないわね……やっぱり大人は嫌ね。恩を忘れて口も悪くて……何より、私より高い場所から見下ろすのが腹立たしい……愛でるなら純粋無垢な子供に限るわぁ~」
ランベルクとエイネスは互いの顔を睨み合うと激しく火花を散らした。
「俺の子供に手を出したら殺すぞ。クソババア……」
「ハァ? 誰を殺すって? 出来るものならやってみろ。クソガキ……」
睨み合う2人のところにガチャっと部屋のドアが開いて王様が入ってくる。
「おやおや、2人共どうした? 私が来たのが不満なのか?」
「いえ、陛下。良くぞいらっしゃいました。さあ、こちらへ……」
国王のエドワルドはランベルクに言われるがまま、壁の前の椅子に腰掛けた。
ランベルクは椅子の前に置かれたテーブルに水晶玉を置いて水晶に手をかざした。
「エドワルド陛下。これがグランツが命懸けで得たリオンの能力です」
水晶が輝き、壁に映像が表示される。
そこにはリオンとグランツの戦闘が映っていた。
金色の龍のオーラを纏い、グランツを圧倒するリオンの姿はまさに鬼神のようだった。
「……これがまだ8歳の戦いか? 末恐ろしいな……これだけの力。止められる者が本国にいるのか?」
「いえ、今はおりません……しかし、リオンは我が息子。必ず手綱を握ってみせます!」
「うむ。今はランベルクに任せるしかないだろうな……頼んだぞ」
「はっ!」
ランベルクは床に片膝をついて王様に頭を下げる。
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