リオンの真の実力8
気を失った俺が次に目を覚ましたのは自分ベッドの上に横になっていた。この異世界にやってきてから8年間、毎日見てきた見慣れた天井が俺の目の前に広がっていた。
「……ここは、僕の部屋?」
俺がそう小さく口に出して言うと、アリサの顔が目の前に現われた。
「リオン。よかった……やっと目を覚ました!」
「……んっ? アリサ! 体は大丈夫なのか!?」
俺が体を起こそうと動いた直後、激痛が俺の体を電撃のように駆け巡る。
「ぐっ……はっ!」
ベッドに引き戻される俺をアリサが心配そうに見下ろす。
「ダメよ! まだ体を動かさないで! あたしは打撲だけだけど、リオンの場合は全身の筋肉と骨を魔法で無理矢理繋いでる状態だから動いたらまた切れちゃうって!」
「そうか……回復魔法も万能じゃないんだな」
「んっ? 当たり前じゃない。軽症は回復魔法で治せるけど、折れた骨や切れた筋肉はすぐには治らない。だから回復ポーションがあるのよ?」
アリサは自慢げに服を捲ると、白い肌が俺の目の前に露わになる。
彼女のほど絹のような木目細かい美しい肌と、よく引き締まったお腹周りとおへそが俺の目に飛び込んできた。
「ちょ、ちょっと! アリサ!」
「んっ? ほら、見て! あたしのここ!」
俺が目を隠すとアリサは恥ずかしげもなくお腹を指差して言った。
指を差すアリサのお腹を俺が恥ずかしそうに見ると、そこにはさっきまであった赤く腫れ上がった打撲の後がなくなっていた。
「回復魔法は切り傷や打撲なんかの外傷をすぐに治してくれるの。逆に回復ポーションは体力の回復や病気や毒、麻痺なんかに効果があるのよ。女神様の聖水の加護があるから軽症なら回復ポーションで軽い傷なんかも治すことができるけどね!」
回復ポーションは即効性はあるけど軽症や内傷、体力の回復などにしか効果はない。
重症の場合は傷口や血管、筋肉をつなぎ合わせる必要がある為、回復魔法での治癒が必要なのだ。
「あっ、これを預かってたの! 飲んで!」
回復ポーションの入った瓶を渡して来るアリサから、その瓶を受け取って栓を抜いて飲んだ。
すると、体が黄色く光って体の痛みがたちまち消えていく。
体を動かしてみるが、痛みなんかは一切ない。それどころか全身が活力に満ちているような清々しい感覚が沸いてくる。
「これが回復ポーション! 骨も筋肉も何ともない……すごい効果だ。体力が全回復しているのが分かる!」
俺の場合は骨や筋肉組織が激しく損傷しているから回復ポーションも併用しないといけないらしい。重症を負った者の殆どは回復ポーションを服用しなければならない。




