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うれしすぎたから

作者: Soraきた

あんなふうに堂々とできてたら

良かったのかな

懐かしい思い出は

ときに切なさを呼び込んで

ついでに溜め息も忘れない


横断歩道の向こう側

何本かのバラを抱えたひとが

信号待ちをしてた


僕もあんなときがあったな

少しシチュエーションは違ったけど


キミの誕生日に

どうしてもバラの花束を贈りたかった

だけど、いざ買おうとしたときに

本当にいいのかな、と思い

花屋の店先で何度も考えては

悩んだ挙げ句

キミの年齢の数だけバラを選んだ

次の瞬間、

なぜだか急に恥ずかしくなって

キミの待ち合わせの場所まで

誰にも見られないようにと

かけ足で向かった

僕は好きな人に

花を贈るのは初めてのことだった


待ち合わせの場所に

キミはもう来ていて

そのあと、どんなふうに渡せたのか

思い出せないでいたけど

キミはとても喜んでくれた

僕の予想をはるかに超えて・・



信号の色が変わり

ゆっくりと歩き出した、そのひとに

僕は「頑張って」と

ココロの声を送った


すれ違ったあとに

でも、渡す相手の人が恋人なのか

これから恋人になる人なのか

また全然違う人なのか、

分からないから

あらゆる場面を想像した



待ち合わせの場所に

まだキミは来ていない

「じつはさっき

こんなことがあったんだ」と

僕は真っ先にキミに話をしてみようか

それとも、思い出したように

あとから言ってみようか

または、

キミの言葉をさえぎるように言おうか

あらゆる場面を想像した

キミの誕生日が近づいてきたころ


いまも僕のココロのなかで

微笑ましく残ってる出来事のひとつ


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