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過去と『少女』と『現在』と

「お腹すいた…」

私は無人島に漂着から何回目か分からない言葉を発した。私を含めて四人いた人達もいつの間にかいなくなって私だけが船やヘリコプターがこの空の向こうから来ることを願っていた。

「食料…まだあったかな」

海辺に座りこんで星空を見るのを止めて私はここについて一番初めに建てた小屋に戻る。そしてあとどれだけ食料があるか確認する。海水から作った塩で保存が効くようにしていたお肉があと一塊(といっても私の小さな手に乗る程しかないが)と今朝、何とか手にいれた魚がニ尾、そして見たことも無かった食べられる果物が数個だけ。

とりあえず魚を一尾だけ焼いて持っているナイフで果物を切り分け、食べる。

とりあえず空腹では無くなったけど、今日はもう動く気が起きない。そのまま大きな葉の布団を被り、床に着いた。



次の日、私は朝から海で魚釣りをしていた。初めはミミズなどの餌を触るのが嫌で他の人に任せていたけど、いなくなってからは我慢しながらやっている。手作りの釣竿ではあまり魚は釣れない。それでも今日を生きるだけの魚は確保できる。

二尾目を釣り上げ、小屋に戻ろうとして海の向こうで何かが動いたのが見えた。それが船だと確認すると私は急いで火を焚いて声を上げる。気づいてもらえる事を祈り、精一杯声を張る。

しばらくして船がこちらに向かって来るのが見えた。願いが届いたのだ!

そして私は救助された。国に戻った私はすぐに病院に入れられ、精密検査受けることになった。体には異常は見つからなかったけど私はすぐに別の病院に移された。

そこでは様々な心理テストをした。私は感じたままのことを言った。その度に医師は無表情でカルテに何かを書いていく。

私は「家族に会いたい」と言った。それを聞いた医師は「もう少し我慢してくれ」と言う。早く父さんと母さんと妹に会いたかった。だから私は我慢した。でもいつまで経っても会うことは出来ない。私は病院を抜けて家に戻った。幸い、家の近くだったので戻れたが、家の中から人の気配はしなかった。鍵が無かったから窓を割って中に入る。部屋を全て見てみるが誰一人としていない。仕方ないから私は病院に戻った。



また私は病院を移された。家から遠い場所だったけど私は我慢した。そこには色んな人がいた。顔中包帯グルグル巻きの男の子、(顔が見えないけど)全く似ていないその妹、記憶が段々失われていく男、そして足がない少女。少女―蜜柑は私の妹に瓜二つだった。私はこれを運命だと思った。私は蜜柑を自分の物にしたかった。でも積極的にアプローチしても蜜柑は私を『友達』としてしか見てくれなかった。私は蜜柑を『妹』として愛しているのに…。『妹』は『姉』に愛されるためにいるのに蜜柑は私を愛してくれなかった。



ある日、新しい患者がやって来た。自分の名前すら忘れてしまった同年代の少年。彼が来て、蜜柑は変わった。何かと『名無し』の話を楽しそうにしてくる。『名無し』と一緒にいるとチラチラと『名無し』を見る。『名無し』が来てから蜜柑は私と二人きりで話すことをしなくなった。


憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い!

私から蜜柑を…『妹』を奪うなんて許せない!

…でもお腹がすいたから後にしよう。食事は全ての活力だ。そして蜜柑の布団で一緒に寝よう。蜜柑は私の『妹』だって分からせてやるんだ。

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