表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編大作選

必殺技

作者: 高島トモツグ

初めてのデート。


彼女は全然笑わない。


出会った頃からそうだった。


でも前は少しは笑っていたような。


遊園地という場所に不満があるのか。


それぐらいしか思い当たらない。


「遊園地、苦手だった?」


「普通」


普通が一番分からない。


本当の本当のど真ん中と思っていいのか。


コーヒーカップに乗った。


彼女のテンションは上がらなかった。


「楽しかった?」


「普通」


何をしても、どんな状況にいても、心はいつも普通なのだろう。


「お腹すかない?」


「普通」


「このジェットコースタ一少し速かったよね」


「普通」


「僕のことどう思っている?」


「普通」




なんやかんやで、時は過ぎていった。


「今日は一日どうだった?」


「普通すぎた」


すぎたは反則だ。


普通という言葉を繰り返してジワジワ痛め付けて、普通すぎるという必殺技でトドメを打たれた。


「ごめん。普通すぎるは間違いだから」


「いいよ。大丈夫だよ」


「普通すぎるじゃなくて、かなり普通すぎるだった」


その言葉に普通に、かなり心が折れすぎた。


必殺技、強っ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ