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異世界図書館長の日常   作者: 香宮 浩幸
手違いで転生することになりました
6/15

1-6ステータスの詳細確認(2)

読んでくださる方、ありがとうございます。


本日二話目です。

 

 ステータスの詳細を見始めて5分。やっぱり考え直した。


「やっぱり、見なければよかったな。よし、スキルの確認は保留にしよう」

「館長、現実逃避されないでください。自分の力はしっかりと把握しておくべきですし、なにより覚えのないスキルがついていたのですから、さすがにそれぐらいは確認しておくべきです」

「わかってるよ。冗談だって」

「ならいいのですが」


 にしても、ライラの態度がだんだん厳しくなっているような……。絶対気のせいじゃないよな。まだ会って一時間ぐらいしか経ってないんだぞ。

 それはさておき、そろそろ冗談を言わずステータスの詳細確認に戻ろう。


<俺のスキルの詳細説明>

<館長のスキル詳細>

 異世界言語・・・この世界メルヴィアに外部の世界から転生または転移した人間に自動で与えられるスキル。なお、普通に与えられる際はレベル1~3程度であり、レベル10であるのは女神イファリアからのギフトであるからである。


 異空間収納レベル10・・・異世界図書館長アカシックレコードマスターの特権。次元のはざまに無限に等しいパーソナルスペースを作り出し、中に意識のある生物以外のものをすべて収容できる。内部の時間は停止しており、入れたものは一切変化しない。


 速読レベル10・・・異世界図書館長の特権。文章からの情報収集速度が超高速化する。


 司書魔法・・・異世界図書館アカシックレコードの司書、司書長、館長のほかには使用することのできない特殊魔法。異世界図書館内の蔵書を介した魔導書魔法や館内での転移魔法がそれに該当する。なお館長の保有する司書魔法レベルEX以外は一部使用に制限がかかる。


 治癒魔法・・・女神イファリアからのギフト。身体や精神の傷を癒したり、身体能力の一時的な身体強化などの術が使える。レベル10ではアンデッドの蘇生すら行える。>


「つまり、チートの半分は俺が異世界図書館長だからできたもので、もう半分はイファリア様のギフトのせいってことか」

「そういうことなのでしょうね。では固有スキルをみて見ましょうか」

「もう疲れたし、頼むから最後くらいまともなものであってくれよ、ほんとに。というかライラ、さっきから楽しんでないか」

「新しい知を得れること以上に楽しいことなどありません」

「そうですか……」 


<固有スキル>

<異世界から転移または転生した人間や勇者のみが持っている固有のスキルのことを指す。その効果は千差万別であり、補助系のものから広域攻撃まで幅広く、本人の特性が変化の大きな要因の一つであると考えられている。その他の要因は*@?。¥*・・・・・以下、閲覧不可>


「どういうことだ、閲覧不可って」

「おそらく、女神様以外の閲覧が禁止されている情報の一つであり、情報が禁書庫内の進入禁止区画内にあるのだと思いますが……」

「閲覧する方法はないのか」

「この図書館は女神様のつくったものであるといっても私たちには連絡する手段もありません。さらに強引に閲覧不可の場所を読もうとすると死の呪いがかかりますし、禁止区画の結界は通常の方法では破れません」

「そんな、やばそうな場所の情報かよ…… まっ、まあいいや。おおまかなことはわかったし。深追いすると怖いし……」


 触らぬ神に祟りなしということで放置しよう。そういえば、肝心の固有スキル本体の情報が出てこなかったなあ。スキル名で再検索してみるか。


<空間把握>

<新種の固有スキル。魔力量に応じた範囲の状況を把握できる。それ以上の情報は不足しています」


「新種ってどういうことだーーーーー」

「お気持ちは分かります。まさか異世界図書館内にほとんど情報がないとは」

「どうなってんだよまったく」

「かなり異質なスキルですが、固有スキルが本人の資質に作用されるのならば、館長本人ならば体感的に使い方が分かるのでは」

「確かにな。よくわからないけどやってみるか」


 とりあえず、周りに意識を向けてみよう……… うまくいかないな。じゃあ人の気配を探ってみる感じで…… 無理だ全くできない。というかイメージすらわかない。いったいどうすれば……


「館長、難しいようであれば館長の元の世界にあったもので関係のありそうなものを想像してみればよいのではないでしょうか」

「なるほどね。しかし周りの気配を察知するものか」

「考えかたを変えてみるのはいかがでしょうか。例えば周りの様子を知りたいのでしたら地図を使いますし……」


 ライラはまだ話していたが、俺にはピンときた。そうか地図つまりMAPだ。アクションゲームとかによくでてくるMAPを思い浮かべていると………


「できた」

「そうですか、おめでとうございます」


 頭の中にまわりのMAPが開いていて、自分の位置やライラの位置、さらには本棚の位置から本の場所までかなり詳細にわかる。3Ⅾで立体表示されて本当に見やすい。


「それで、どのようなスキルなのですか」

「頭の中に立体的なMAPがでていて、それを上から見てる感じかな」

「なるほど、ところでどの範囲が見られるのですか」

「正確なMAPや情報がないからわからないけどたぶんこの図書館全体かな。最深回の見えない部分が禁書庫の進入禁止区画かな」


 しかし、ほんとうに広いなこの図書館。横幅3キロ、奥行き20キロ、階層は30階層で一つの階層の高さは80メートル。館内では転移での移動が基本のようだな。ちなみに館長室のあるこのフロアは最高階に位置している。


「そのスキルでこの館内で私たち以外に動いているものはわかりますか」

「ええっと、1,2,3、11個あるね。ということはこれが11人の司書かな」

「はい。それで、それぞれの司書の名前などはそのスキルで分かりますか」

「ああ、自分の知っていることは分かるようになっているみたいで、俺が異世界図書館長だからか、基本的にすべての情報がでてくるよ」

「でしたら0番の棚の司書のもとに瞬間移動してください」

「できるけど、なにをするんだ」


 そう聞くと、ライラは不思議そうな顔をして言った。


「当然、この館内の案内と司書たちの紹介です。あっ、ひょっとして女神様からお話がなかったのですか」

「そうだな、というかほとんど聞いてないぞ。ライラに聞けって言われただけだな」

「それは申し訳ありません。詳しい説明をいたしましょうか」

「いいよ。これから案内してくれるみたいだし。それに追々わかるようになるだろう」

「そうですか。では、転移魔法の使い方は分かりますか」

「たぶん。スキルの補助もあるから」


 空間把握のスキルを利用して、移動する位置を決定する。


「よし、いけそうだ。じゃあ飛ぶよ」

「はい、お願いします」

「それじゃあ、<館内瞬間移動テレポート>」


 そう唱えた瞬間視界が光に包まれ、やがてゆっくりと周りの風景がうすれていった。

普段は「異世界でも貴女と研究だけを愛する」という作品を上げてますので、そちらもよろしくお願いします。

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