1-5ステータスの詳細確認(1)
ネタが出しだい、書いていこうと思います。
本日一話目です。
「館長、どうされたんですか。 ……そろそろそちらの世界からお戻りください」
しばらく茫然としていた俺を、ライラが連れ戻してくれた。
「ああ、ごめん。ちょっとステータスの衝撃がすごくて」
「確かに…… そのようですね。前館長でもこれほどのものじゃなかったですし」
どうやら俺のステータスは異世界図書館という女神様のおひざ元でもかなり異質なようだ。 ライラの普段の丁寧な口調が若干くずれているところを見ると、かなり動揺しているようだし。
「館長、それでは異世界図書館の機能を使ってこのステータスを調べてみたらいかがでしょうか」
「えっ、これがその結果じゃないのか」
「いえ、これはあくまでもこの図書館のあまたある蔵書のうちの一冊、<自知の書>が出した結果です。おそらくこの図書館内の全蔵書を使えばもっと詳しい結果が分かるかと」
「でも、どうやって。まさかこの図書館内を回って関係のある本を探すとか言わないよね」
「ええ、館長様ならそうされなくても問題ありません。どうぞこちらに」
そう言って、ライラは俺を館長室内の机に引っ張っていってくれた。そして俺に椅子に座るようにうながした。そのまま椅子に座ると、自知の書のように目の前に青いウィンドウが開いた。
なんかパソコンみたいだな。画面に<ようこそ新館長様>とか出てるし。
「この画面での操作で必要な本を絞り込めばここから動かずにすべての本を閲覧できます。これは異世界図書館長のみの特権です」
「へえ、じゃあ早速やってみますか」
まずは名前の謎についてから聞いてみることにした。元からそれが目的だった訳だし。
<シュウヤ・イファリア>
<異世界ウォルティアの青年、立川 修也が現世メルヴィアで生まれ変わった姿。種族はハイヒューマン、年齢は16歳………>
このあとしばらく先ほどのステータスとほぼ同じ内容が書かれていて、最後にイフィリア姓である理由が分かった。
<……。なお姓のイファリアはこの世界に受け入れられる際に、メルヴィアには本来、来るはずのない想定外の魂であったため、元から用意されていた器が使えず、女神イファリアが自分の魂の一部を利用して急きょ新しい器を作成したたため、女神のかけらを宿されたものとしてこの世界の理に女神の息子として登録されたからである。なお女神の魂のかけらは体をヒューマンの上位種、ハイヒューマンに作り変える過程で失われたため、シュウヤに神としての力が備わることはなかった。>
「なるほどな、つまり名前がおかしいのと、種族が進化したのはあのイファリア様のせいみたいだな」
「そのようですね。ところで新館長様、私はあなたをなんとお呼びすればよいでしょうか」
「修也館長でいいよ。この世界でもその部分だけは名前が変わっていないようだから」
「分かりました。では修也館長、次は何を調べるのですか」
「じゃあ、ハイヒューマンと年齢、後は異世界図書館長についてかな」
<ハイヒューマン>
<人間種ヒューマンの上位種。ヒューマンに比べてすべての能力値が高く、寿命も長い>
<年齢が16歳である理由は>
<女神が器を作る際に、本人の潜在意識下で最もなりたい年齢となるため>
<異世界図書館長>
<メルヴィアの女神イファリアが作り上げた、周辺世界の情報を集約する機関である異世界図書館の館長職。在職期間中は主に館内において、女神に準ずる権限を持つ。権限の主なものは館内の全蔵書の使用権限、館内での自由転移などが挙げられ、MPや魔力などの魔術関係ステータスは館外でも最高値へ補正される。
主な職務は館内の管理並びに、メルヴィア内の魔導書の適正運用の監査>
「なるほどね、異世界図書館長って本当にチートだな。在職期間中は女神に準ずる権限を持つとか」
「そうですね。ところで修也館長」
「どうしたの?」
「いえ、この異世界図書館の検索機能でしたらもう少しおおまかな書き方をしたり、複数の項目を同時検索しても、館長の意思をくみ取って正確な解析結果がでるのですが、よければお試しください」
「ほんとに、じゃあちょっとやってみようか」
<能力値の数値についての説明 (できるだけ簡単に、詳しく)>
<HPは本人の耐久力を示しており、本人に損害が加わると減少し、0になると死亡する。MPは本人の魔力保有量を示し、それを利用して魔法を使うことができる。なお両者ともアイテムや時間経過などで回復する。
力は本人の物理攻撃力に、魔力は魔法威力、防御は物理防御力、魔防は魔法防御力、素早さは回避力やスキルの発動速度、知力はスキル精度に影響する。なお能力値は、日常の行動にも大きく影響する。
なお、異世界図書館長は魔術系ステータスが最高値に固定される特権の代償に、身体能力系のステータスがきわめて伸びづらい。
補足 ステータス対応表
HP200~1000で一般人、1001~5000で冒険者、5001~7000で伝説級、7000~9999で勇者、9999~神級。
MP0~100で一般人、101~300で魔導士、301~600で魔術師、600~800で高位魔術師、800~999で賢者、EX=世界総魔力量
その他の能力値1~100で一般人、101~300で強者、301~700で超人、700~999で伝説級、EX=9999
なお、数値はあくまで目安であり、数値=強さではなく、あくまで傾向を示したもの >
「す、すさまじいな。もう、異世界図書館がチートなのか俺がチートなのかよくわからなってきた…」
<両方チート級です>
「……よ、よし。次へ行こうか」
まだまだ修也のショックは続くのだった。