女同士のガチ喧嘩ほど男のトラウマになるものはない
「それでは、只今より一年バリロ=ザッスル対同じく一年ハル=カディルの決闘を初めます。両者、前へ」
ようやく決闘のお時間だ。こんな面倒事、さっさと終わらせて帰りたい。
「逃げずに来たことだけは評価してあげよう。僕を侮辱した罪をその身に刻むといい」
というか、早く終わらさないとあいつらが暴れだしそうで怖いんだよなぁ。(チラッ)
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「ちょっとそこの貴女、その席はわたくしの指定席でしてよ」
「…誰かと思えば、どこぞの成金女か。呼んだ覚えはないが?」
「あぁ?」
「あぁん?」
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時すでに遅し!?もうなんか始まっちゃってるよ…やめろ、周りがドン引きしてんじゃん!こっちより、あっちが先に決闘しそうなんですけど!?これは早いとこ終わらせねば…
「…聞いているのか、おい」
俺が目を向けた観客席一番前の席。そこにいるのはベリエルとリオン。あいつらはなぜか初対面の時から仲が悪い。
昼飯も最初は三人で食べていたが、謎の無言空間が出来上がってからというものいつの間にか交わされた謎の協定により、交互に俺と食べるようになった。