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となりの友達は他種  作者: ayukat
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第2話 魔王よ、障害を取り除け。

前回のあらすじ


魔王討伐に向けて魔王城にたどり着く勇者ユウ。だがボス戦直後にBGMがならないというハプニングが起こり一旦中断することに。再開した戦闘ではいいところで魔王の母ちゃんからメールが来てまたもや中断することになってしまった。無事魔王と勇者の戦闘はできるのか?


なんか分かりにくいですね。まあ、あらすじってこんなもんか。

「ふう」


ため息を少しもらしゆうは中断された戦闘(もはや戦闘になってすらいないが)を開催することにした。扉をあけた瞬間、魔王の声が鳴り響く。


「よくぞ来たな、勇者よ。」


3回目だから聞き飽きそうになってきた。


「ああ、ここに来るまでにはきつい難関がたくさんあったぜ。かなり消耗してるから手加減してくれると助かるだがな。」


これも、ヤバい。もうセリフ忘れられねえわ。


「フッ...そんな訳なかろう。その程度の力ならば、とっくに地獄の番犬にやられているであろう。」


「ああ、少し冗談が過ぎたようだ。だがここからは冗談はなしだ。」


「ああ、そうだな。貴様の本気を魅せてみよ!!」


三度目の波動。だが攻略方がわかったわけではない。今ユウがすべきことは、前と同じく盾で踏ん張ることだけだ。


「くっ!!なんて波動だ!...これは...」


グフッ


毎回のごとく、衝撃に耐えられずユウは吹き飛ばされる。だが着地を安全に行い、次の攻撃の回避に移る。


前から黒い炎が放たれる。黒炎弾だ。前に一度見たことがある。追尾力はないから、回転回避で横に移動すれば安全に回避できる。


「うお!あぶねぇ」


波動の衝撃が思いのほか強く、体が回避に移行するまで時間がかかってしまう。今回もかなりギリギリだった。


そんなことを思っていると、波動の衝撃はとっくに止んでいて、サタンは次の攻撃に移っている。


サタンの頭上からたくさんの魔方陣が浮かび上がる。その魔方陣達は、ユウのことを睨み付け赤く点滅する。発射の準備だろうか。前は全然見ていなかったが、二回目だと気楽にやれるな。


「フッ...おもしれぇ。そうさ、俺は勇者でお前は魔王。この戦いがおもしろくないはずがない!!」


「避けられるか!!」


「望むところだ!!俺はお前を全力で叩きつぶす!!」


言えた!なんか進展したって感じで、気持ちいいな。

戦闘を二回もやり直していることに慣れてしまったのか、ユウは変な感情を抱いていた。


そんなことを考えながら、ユウは魔王に突進した。


ピンポーン


そのとき、サタンの後ろの方で変な音が鳴った。


またも二人の間に静寂が訪れ、両者は戦闘を中断させざるをえない状況になった。


間もなくして、戦闘を邪魔したであろう人物が姿を表した。柱の奥から白と赤の縞模様の服を着た青年がこちらに向かってくる。ユウとサタンもその人物の元に無言で駆けつける。


「お届けに参りましたー。」


その男は首から平べったい白い箱を下げていた。箱の上面には英語で何か書かれてあり、その文字の下には誰もが好きな食材の絵が丁寧に書かれてあった。勿論その中身はサタンもユウも察している。


「こちらになります。えー、『チーズたっぷりベーコントマトピッザァ』でよろしかったでしょう...大丈夫ですか!?」


ユウとサタンが余りにも死んだ顔だったので、ピザ屋のバイトさんは心配と動揺で注文確認を怠ってしまった。無理もない。


「...あ...はい...代金です...。」


死んだ目で死んだ表情でさらには死んだ声で接したそのサタンの姿はまさにこの城の中ボス、アンデット族の『スカルレイス』という骨の死神に良く似ていた。


「えっ...あっ。はい。ちょうどお預かりになります。ありがとうございました。...えっと...お客様、これ、商品になります。...お、お大事に~。ありがとうございましたーーーーー!!」


バイトさんは代金を差し渡され、商売に専念しようと思ったが、場の空気に圧倒され、ついには発狂しながら颯爽と去っていった。


その後、ユウは腰を下ろし目一杯のため息を漏らした。サタンも同じくため息を漏らし、二人のため息が重なった。


はあ~


「またかよ!どんだけ障害が発生すれば気がすむんだ。このやろー!」


「全くだよ!さっきまでこらえていたがもうたくさんだ!なんなんだよさっきから!」


「いやお前だろ、注文したの!確かにそれ美味しくて、お金がやばくてもつい頼んでしまう謎の中毒性があるが、今頼むか、普通!」


「いいだろべつに!君との対決が終わったら食べれるように時間を見て予約したのに、全然始まらないからだろ!しかも、そっちと違っていつ攻めてきてもおかしくない状態だから、飯も作ってらんねーんだよ!」


それからしばらく、お互いに意見を投げつけあい、疲れて消沈したあと、先程頼んだ『チーズたっぷりベーコントマトピッザァ』を二人して食べた。


「それにしてもいつまでたっても戦闘できねえ。やっぱうめえな。」


「これでは、何かにたたられているとしか...。さいっこうだこれ!」


「いや、こうじゃねえか。誰かにこの戦闘を...モグモグ...監視されてて...モチモチ...妨害されているって...クチャクチャ...いうことかもしれない。うめえ。」


「そうかもね。まだ不確定要素だけど...モグモグ...可能性としては...モチモチ...高いかも...クチャクチャ...だね。頬が落ちそうだ。」


「じゃあ障害をとりに行くか。これ終わったらな。」


「ああ、戦闘を再開するために。食べ終わったらね。」


『チーズたっぷりベーコントマトピッザァ』という、一部の若者に大人気な商品を食べながら、二人は決心した。


ーーー 一時間後 ーーー


「ダメだ~~~~。」


「誰もいねえじゃねえか。」


ピザを食べ終えたあと、二人は捜索を開始したが城の内部や周辺には誰一人居らず、誰かが邪魔しているという一説は全くの嘘っぱちの仮説になった。


サタンは城内部の魔物の警備をより集中させ、警備の数と捜索班を追加して城の内部を調べ尽くした。


一方ユウは、建物の最上階の屋根の上に登り、『竜眼』という視力が倍増し生物が光って見えるという特技を発動し、城の周辺を探った。


二人の捜索コンボで居れば確実に見つかる筈だった、架空の糞野郎は見つかるはずもなく、再開した二人はまたも考察を始めた。


「そう言えば、携帯がなったりピザだったりだから、外で色々細工してるかも知れないよ。」


「いや、外はもう見たって。野生の魔物はいっぱいいたが人の存在は見当たらなかったってさっき言ったろ。」


「そうじゃなくてここよりはるか遠くから、ネットなどを使って人を動かしているんじゃないかってこと。」


「そうゆうことか。それならあり得るかもだが、捜索範囲が馬鹿げているからな。」


「どうしたものか。」


サタンが出したのはとんでもなく広い土地を捜索するという大規模な意見だった。だが無理もない。先程までの障害は色々あったがタイミングがよすぎる。まるで戦闘を本当に妨害しているかのように。ただの偶然だと思うが3回目となるとさすがに疑う。


先程のユウとサタンの捜索コンボでは一時間もかけてやっと城の安全確認が完了したわけなので、世界各地に捜索を開始するとなれば、相当な時間と労力を使うことになる。その意味を理解していた二人は、またも真剣な表情になり、意見を出し会う。


そして、現実的でかつ最低限でできること、サタンのスマホの通知とこの部屋の扉にロックをかけることを実行した。そして、再戦することになった。


こんなんで大丈夫かとか思いつつも、ユウはロックされている扉の前に立つ。扉の鍵がかかっているので、入ったところから再会する。


「よくぞ来たな、勇者よ。」


元はこんなんじゃないからな。今さらだから違和感しか感じねえ。とか考えながら、サタンの言葉に返事をする。


「ああ、ここに来るまでにきつい難関がたくさんあったぜ。かなり消耗してるから、手加減してくれると助かるんだがな。」


きつい難関ってまさに、さっきの捜索のことじゃないか。サタンもユウに同情をかける。物思いに浸っていると速くも自分のセリフの番になり、急いで表情を強ばらせる。


「フッ...そんな訳なかろう。その程度の力であればとっくに地獄の番犬にやれているであろう。」


地獄の番犬。あいつも強かったな。魔王戦よりかは長くはないが長期戦になって、回復瓶を何個か消費してしまったからな。


先程までサタンが地獄の番犬と呼んでいる魔物は『ケルベロス』という炎をまとった首が3つある犬である。それはこの城の最上階に行ける階段近くで守っている中ボスなのでかなり強いのだが、それを討伐するユウは剣士としての腕前は達人なみである。ちなみにユウの防具は魔王戦を予定した闇属性耐性が高いものなので、炎属性で攻撃してくるケルベロスにはまず苦戦を強いられる。この情報もユウは手練れの剣士であるという証拠を裏付けることになる。


そんなことを考えつつ、ユウは決まったセリフを使い回す。


「ああ、少し冗談が過ぎたようだ。だがここからは冗談は無しだ。」


さっきから冗談しか言ってない気がする。そうサタンは思った。


「ああ、そうだな。貴様の本気を魅せてみよ!!」


本気て、もうくたくたですが...ユウも何か思いながら戦闘をする。


そのとき二人の頭に同じ思考がよぎった。そして、双方ともに同時に口を開いた。


「やっぱやめよう。」「もうやめようぜ。」


「ん?」「え?」


二人の声が同時に重なりあい、部屋に響き渡った。二人は動揺して声が漏れる。またもや同時に。


先程二人の頭によぎった思考はこれである。


『戦うのやめよう』


「いや、俺はもうなんか戦う気がないというか。あの、めんどくさいとかじゃないんだけどさ。」


「僕もだよ。もう傷つけあうのはよそう。ここまでいくと僕らは戦うべきじゃないのかもしれない。」


「そうだな。まるで神様が言っているようだ。」


「これが、神様の意思かもしれない。」


『彼らに(僕らに)(俺達に)、友達になれと。』


思いを言いあい、彼らは握手を交わした。そして、何世代にも繰り広げられた人魔戦争は今日彼らの一言により終わりを告げた。


「友達になってください。」




ここは人魔戦争の戦場。今はもう争っておらず、人も魔物も仲良く一緒に暮らしてる。人にしかできなくて魔物にできること、または人にできて魔物にできないことをお互いに理解しあい、思いやりの溢れた豊かな暮らしの土地である。


「おい、サタン。こっちにうまい酒屋があるんだって。早くこいよ。」


人魔戦争が終わったのは、どちらかが他の種族を滅ぼしたわけではなく、共和同盟を誓い合い、終戦したという。これは幾度となく、殺しあいを続けていた彼らには考えられない結末だったが、日が過ぎ、我々はこの生活に慣れた。学校の教科書にも掲載されているこの歴史は、人々や魔族に自由を与えた。


「待ってよ。君の体力に僕がついていける筈ないだろ。ハアハア。」


その自由を作った英雄は二人いると言われている。


「おうそうか。ごめんな。だがもう着いたぞ。」


彼らは『達人のユウ』『魔眼のサタン』という2つ名をもちまだこの土地に暮らしているという。


「ここか。なんかガヤガヤしててうるさそうだね。」


彼らはこの土地に伝説になるであろう名言を残している。


「バカ!店の前だぞ。やめろ。そんなに馬鹿にするならこの店のサイドメニュー食ってみろよ。」


《俺達は、英雄でも何でもない。偶然が偶然に重なりあい今の状況なるきっかけを作っただけ。》


「ああ、サイドメニューね。噂の店はこの店だったのか。ちょうど食べたいと思ってたよ。」


《そう。僕らはなにもしていない。きっかけさえあれば歴史は簡単変わる。それがいい状況になっただけ。》


「相変わらず察しがいいな。そう、この酒屋の定番メニューは...」


《だが、俺達は、僕らは、このことで誇りに思うところが一つある。》


『チーズたっぷりベーコントマトピッザァ!!』


《それは、お前と、君と、友達になれたこと。》



今、話題の酒屋が個性的だと噂になっている。


その店は、酒屋なのに定番メニューは酒じゃなくサイドメニューのピザだという。


その店の名前は『friends of the next other special』


意味は『となりの友達は他種』


今年の話題の店だそうだ。

最後落ちが面白くないと思いますが、筆者の想像力がゴミなのでご了承ください。これはこの回で終わらせていただきます。ご愛読ありがとうございました。アドバイスとかくれるとうれしいです。

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