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となりの友達は他種  作者: ayukat
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第1話 勇者よ、脱力せよ。

「やっとだ...」


男が口を開いた。


「この扉を開ければ...」


その男の前には高さ5メートル位の大きな扉がある。


「さあ、行くぞ。最終決戦だ!」


これはこの男を取り巻く壮大な物語である。


-------


この男の名はユウといい、人は皆彼の事を勇者様と呼ぶ。そうこの男は世間一般で勇者とよばれる職種についているのだ。


ユウが着ているのは、ユメタイトとよばれる特殊合金で作られた青と黒が入り乱れた模様の鎧である。右手には英雄ロイドが使っていたとされる片手用両刃直剣「英雄の剣」、左手もロイドが使っていたとされる片手用中量級盾「英雄の盾」を持っており全体的な容姿はかなりカッコいい。


なぜ重装備なのかについてはユウの職業が教えてくれる。勇者という職業は人生の全てを捧げ魔王を殺すとが仕事であり、到達点なのである。ユウは今から魔王討伐を目標に魔王城に来ているので、かなり重装備なのである。


他にも勇者は、村の護衛や雑魚魔物の討伐・捕獲などさまざまな仕事がある。が、勇者であるのをいいことに装備を整えたいとか言って家に土足で上がり込みタンスやツボなどを荒しさっさと帰るという嫌がらせ野郎もいるにはいるという。


少し脱線しかけたが今ユウがいるのは魔王城の最上階。魔王がいるであろう部屋の扉の前だ。今、ボス戦に向けての準備が終り扉を開けたところだ。



開けた先には扉よりも高い天井と空間があり、どでかい柱がいくつも立っていた。中は薄気味悪く光源は柱や壁にかけてある青い炎のろうそくがあるだけであった。


そして部屋の奥には一人の男が待ち構えていた。奴の背後には奴の身長より3倍ほどある椅子があった。


「よくぞ来たな、勇者よ。」


予想とは裏腹に魔王サタンはユウと同じくらいの背丈で声もかなり美声である。距離が遠いので顔の繊細なところまでは見えないが、はっきり言ってイケメンだった。


「ああ。ここに来るまではきつい難関がたくさんあったぜ。かなり消耗してるから手加減してくれると助かるな。」


にやけながら口を滑らせるユウ。


「フッ..なにを言う。その程度の力ならば、地獄の番犬にとっくにやられているであろう。」


「そうだな。少し冗談が過ぎたようだ。...だがここからは冗談はなしだ。」


「いいだろう。我も是非貴様の最大を踏み台にしたい。特別だ。」


そう言うと、ユウの足元に黄色の魔方陣ができ、少し癖になる効果音とともに、ユウの回りに光が飛び散る。


「!?..回復魔法か!..しかも全開で状態異常も回復とは..見たことがない....」


「ぶつぶつ言ってないで礼ぐらい言ったらどうだ?」


「ああ、ありがとうな。だがこいつが俺からの最後の誉め言葉だ。」


「ああ、そうだな。ジョークタイムも少し飽き飽きしていたところだ。さあ!貴様の本気のとやらを魅せてみよ!!」


その言葉を発した瞬間、サタンから異様な威圧感のある波動が放たれ、ユウは盾を構え踏ん張った。


「くっ!!なんて波動だ!これは...」


その気迫に押しきられそうになったその時、その激流のような波動が止まった。


「ん!?え!?あれ?」


「...ちょっとごめんねユウくん。ちょい待っててね。」


いきなり衝撃がなくなったのにも驚いたのだが、それ異常にユウは今見ている光景に驚愕している。


「プルルル...ピッ..もしもし...ちょっと!それっぽい雰囲気出したらBGMってあれほどリハーサルしたじゃん!..うん。波動もちゃんと出したよ。..え!BGMどれ流したらいいんだっけだって?ちょっと待てやお前マジで。本番だろこれ。」


そう。サタンが戦いを放棄しスマホで誰かと話しているのだ。て言うかスマホでもってんのかよ。しかもなんかしゃべり方違うなさっきと。


「...」


「...いやなんだこれーーー!!...え?なんで電話してんの?今戦闘中じゃねーの!?」


ユウは意味のわからない状況に耐えきれず絶句してしまった。


「ちょっと...しー...あ、ごめん。こっちの話。」


サタンは電話中に叫ぶなと言わんばかりの顔でユウを注意してきた。


え?なにこの状況。マジで意味わかんないんだけど。と、思いつつもとりあえず黙っとくユウ。


「..いや、そっちじゃない。もっとダークな方..そう!それだよ。..マジでどうすんだよこれ。..うん..でもさ..うん..わかったよ。じゃあ頼んでみるわ。僕も言いすぎた。すまんな。..うん..じゃあね..はいはい..またねー。」ピッ


スマホの通話が終わったようだ。終わってもなおスマホをいじっている。LINEだろうか。現代っ子だな。


LINEであろう作業を終えたあと、目を踊らせながらこっちに歩いてきた。


ユウはまだ戦いをしていると思い込んでおりとっさに盾を構えた。


「まってまって。一旦落ち着いて。ちょっとお願いがあるんだけど。」


またへんなしゃべり方だな。ユウは警戒心は解かず盾を構えたまま応答した。


「...お、お願い?」


「そう。えっと...あのその扉から入る前からもう一回やってもらえるかな?」


サタン申し訳なさそうな顔でが扉からの方を指差した。雰囲気からして、意味わからん内容かと思っていたが、予想以上に意味わかんなかった。


「..えと。もう一回。あの雰囲気出すってことか。」


「..うん。そうなる。」


その時、重い脱力感がユウを襲った。いや脱力感だから重いも軽いもないか。


「えー。このへんのセリフマジで決めるところだから、結構調子乗ってないとできないんだよ。」


「そこを何とか...お願いしますよー...頼みます...この通りだから。」


サタンの体は徐々に崩れ落ち最終的に土下座にまでに至った。


「いやむりだわ。なんと言おうともう冷めちゃったし。やろうにもできないんだよ。」


もはや脱力感MAXのユウは剣と盾を放り投げその場に座った。


「そもそもなんでもう一回なんだよ。なんか理由あんのか?」


「.....BGM担当の人がやらかした。」


「いや担当ってなんだよ。BGMとかいつも魔王側がやってんのかよ。マジか、なんかすまんな。」


「うん。ボスたちは自分にあったBGMを個々が持っているんだよ。それをそのボスの担当の人がかけるみたいな感じになってるのさ。」


マジか。魔王側も魔王側で頑張ってんだな。


ユウは警戒心を忘れ、それどころか敵に同情するという勇者として最も解せぬ行為をしていた。


「いやでも間違えただけだろ。無視しとけよ。BGMなしもなんかカッコいいだろ。無駄に雰囲気出て。」


「そんなわけないだろ!確かにフルフ○は雰囲気出てたけど、ラスボスだぞ!ラ○シャ○ロンだぞ!!いかにかっこよくしてかっこよく終わらせるかが求められるんだよ!(ラスボス雰囲気糞で面白くなかったw)とか(BGM入れろよ。くそサボり運営)とかネットで書かれるぞ、このままだと。」


いきなり熱くなったサタンに少し引きぎみで答える。て、言うかラ○シャ○ロンってラスボスだっけ。


「ま、まあ。そうか。」


「じゃあやる?」


「それとこれとは話が----」


「話が別だと。よく考えてくれ。」


「?」


少し慎重になり、サタンの声がこもる。


「このままだと心が冷めた中、BGMもなしでただ適当に戦うことになるのだが。」


「それも...そうか。..じゃあ仕方ない。やるか。」


「マジで!やったーうれしー!...僕さ、魔王今回が初めてだからさ、その...どれだけ魔王やれるか楽しみだったんだ。それだから次は必ずやりとげてみせまへずぅ。グスッ」


サタンの語尾がおかしくなったのは言わずもがな、彼が涙を流していたからである。


意外に涙もろいな。


「..ほら、泣くなよ。男だろ?」


情けないことにユウはもはや園児の先生である。


「うん。グスッ」


サタンは涙を拭きながら答える。


「ほら、立って...その椅子に座っててよ。あ、回復はしたからしなくていいよ。」


いつの間にか握っていた武器を2つとも背中に担ぎユウは扉の外へ出る。


「じゃあ、ていく2な。」


「頑張って見せる。」


ユウはサタンがガッツポーズをしているのを見届けながら開いていた大きな正面扉を閉めた。


ペチペチ...よし!


軽く頬を2回叩くとユウは、先程閉めた扉を開けた。


開けてから最初に来るのは、サタンのセリフだ。


「よくぞ来たな、勇者よ。」


少し声高く、目が晴れているが、問題無い。続けよう。


この次、過小評価のユウ。


「ああ。ここに来るまではきつい難関がたくさんあったぜ。かなり消耗してるから手加減してくれると助かるぜ。」


ここでにやける。完璧。


「フッ..なにをいう。その程度の力ならば、とっくに地獄の番犬にやられているであろう。」


よし完璧だ。もう少しで波動andBGMだな。頑張れBGM担当。


「そうだな。少し冗談が過ぎたようだ。...だがここからは冗談はなしだ。」


「ああ、そうだな。さあ!貴様の本気とやらを魅せてみよ!!」


いいアドリブだ。かなり評価していいレベル。


ここで波動!


テデテーデートゥーデートゥー


そしてBGMデター!!こんな感じなんか!すげーあってて鳥肌もんだ!どこから出てるのかわからんが!


感動しながらも波動が出た瞬間、ユウは盾を構え踏ん張る。


押しきられそうになり、声をあげる。


「くっ!!なんて波動だ!これは...」


ゴハッ!


ユウが踏ん張っていると一瞬にして威力が上がり、波動で吹き飛ばされた。


何とか体制を起こし踏みとどまるが、目の前から黒い火の玉が飛んでくる。


「うお!あぶねぇ」


あたるギリギリで回転回避を行い攻撃を被弾せずに済んだ。


いつの間にか波動は消え、サタンが肉眼でみることはできたが、奴を捕らえるより先に奴の上空に無数の魔方陣が浮かび上がるのが見えた。


「フッ...おもしれぇ。そうさ、お前は魔王で俺は勇者だ。この戦いが面白くないはずがない!!」


ニヤッ


思わずにやけてしまう。


「避けられるか!!」


「望むところだ!俺はお前を全力で叩きt―――――」


プルル プルルル プルルル


ユウが叫び走り出した瞬間、誰もが知る軽快な音楽が鳴ったが、二人にはそれが悪魔の旋律にしか聞こえなかった。


サタンの懐が動き出す。察した。奴のスマホがなっているのだ。


魔方陣は消え、サタンとユウはその場から動くことができなかった。


静寂が訪れ、(正確にはスマホがなっているが)硬直した空気が漂った。


1秒後サタンはスマホを手に取りLINEを見た。


サタンはまたもや恐る恐るちかずき、LINEで母ちゃんが昼飯なにがいい?って聞いてきたと小声で言った。


ユウもまたもや脱力感に見舞われ、脱力勇者とイマドキ魔王が再び現れた。


「もう一回だ..け。」


「....マジかよ。通知オフにしとけよ。」


そう言いユウはまた正面扉のそとに出た。


思いつきで突発的に書いてしまいました。多分続きます。

初投稿なのでこいつ変な書き方してんなとか誤字脱字ばっかだなとかあったらアドバイスしていただけると幸いです。

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