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第三話

「兄さん!!遅刻ですよ!!」

「ん〜〜あぁ〜」


刹那は眠い目を擦り、体をのばす。


「兄さん!また朝ごはん食べる暇がないじゃないですか!」

「綾乃は食ったろ?」

「もちろんです!玄関で待ってますのではやく準備をしてください!」


綾乃は部屋をでていく。刹那はだるそうに準備を始める。


「早くしてください!!」


綾乃が叫んでいる。刹那は急ぎ始める。

刹那が起きたのは8時。登校時間は8時20分。家から歩いて10分。さらに準備もろもろ…。つまりいつもぎりぎりなのだ。


「悪ぃ。待たせた」

「兄さんぎりぎりです!」

「綾乃走るぞ!」


刹那は走る。綾乃も走る。

学校に着いたのは8時17分。ぎりぎりだ。


「じゃぁ兄さんまた。いいですか?授業は…」

「寝ません!それじゃ!」


刹那はダッシュで教室にはいる。


「刹那くぅ〜んまたぎりぎりかい?」

「ヤトか。朝から元気だな」

「もちろん!大会近いし!」

「大会?あぁ。おかしいよな新学年始まって早々にやるとか」


大会。刹那たちが通う学校は5月上旬に大会がある。

この大会、全学年参加でシャッフルトーナメントとなっている。そのため1学年が最高学年の4学年とあたることがあるのだ。

ちなみに刹那たちは今3学年。去年は刹那が2位の詩帆が3位だった。

おまけで言うとヤトは5位。綾乃が1学年にして4位という高成績だった。


「刹那おまえにはまけねぇぞ!」

「とりあえず綾乃に勝てるようになってから言ってくれ。おやすみ」

「綾乃ちゃんは魔術が…って寝るのはやっ!!」


刹那は眠りについた。そのときにせんせいがはいってきた。


「お〜い今日はうれしい知らせだ〜。転校生がきたぞ〜しかも可愛い女の子だぞ〜」


せんせーの言葉に周りの男子は「俺が貰った〜」とか「お前にはわたさね〜」とか「はやくしてくれ〜」とかさわいでいる。

刹那はというと…


「くかーくかー」


寝ていた。


「それじゃ入ってきてくれ」

「はい」


その子が入ってきたら周りの男子が「かわいい〜」とか「うわ〜ウチの学校の女子のなかでSSランクだ〜」とかわけの分からん事を言っている。

刹那は相変わらずだが。


姫子キコ…です…よろしく…」


とうとう周りの女子までもが騒ぎ出してしまった。「お人形さんみた〜い」とか「ちっちゃくってかわいい〜」とかいろいろだ。

刹那は…?


「くかー」

「おい刹那!おきろ!転校生だぞ〜!」

「ん〜。転校生の一人や二人で騒ぐなよヤト」

「おまえも見てみろよ。めっちゃ可愛いぞ!」

「ん〜って姫!?」

「あっ…刹那…♪」


刹那に向けられる殺意が混じった冷たい視線。

刹那はなるべく気にいないことにしていた。


「姫!?なんで?」

「…いろいろ」

「なんだ刹那と知り合いか?なら隣が開いてるから座れ」


刹那に向けられる殺意の視線。


「おまえら転校生きて浮かれてるのはいいが今日から大会に向けて剣術、魔術の授業増やすからなぁ」


「なんだよそれ〜」というこえが教室中に響いた。


「おまえらに意見を言わせるつもりはない!さっさと練習場いけ!」


生徒達が移動しだした。刹那は?


「くかー」

「刹那…おきて…」

「くかー」

「キコちゃんこいつは寝たら起きないよ。こういうときは詩帆に」

「刹那…怒るよ…?」

「姫おはよう!」

「私の出番なくなっちゃった…早くいかないとせんせい怒るわよ?」

「いこう!」


ここはトレーニングルーム。大会に向けて練習しているクラスがたくさんみれる。

トレーニングルームはかなり広いつくりになっている。この学校は1学年7クラス。全28クラスになっているのだが、このトレーニングルームは10クラスは入る広さになっている。

さらにグランドもあるのだが…。


「兄さん!?」

「綾乃か?おまえのクラスも大会に向けて〜ってか?」

「ええまぁ…」

「綾乃ちゃ〜ん!」

「ヤト死ぬか?」


刹那の周りには殺気が…


「刹那…あの子…あのときの…?」

「姫そうだよ。」

「あの子…知っているの…?」

「…知らない…というか覚えていないと思う」

「兄さん?お手合わせ願えますか?」

「綾乃ちゃ〜んそれは俺が〜」

「じゃぁヤトおまえは私とな」

「げっ!詩帆かよ」

「兄さん?いいですか?」

「あっ?ああ」


トレーニングルーム。特殊な結界が張られていてどれだけ大きな衝撃の魔術でも中に留められる。上級生になると進んでここの一室を借りて魔術の練習をしている。


「では。兄さんおねがいします」

「よろしく」


その二人の周りには練習に来ていた生徒、先生たちが集まっていた。

なんでも「去年の2位と4位がやりあうぞ!」といううわさで集まったらしい。


「いきますよ?」

「おう。ってうわ!」


綾乃は一瞬で刹那の懐に飛び込み一発きめようとする。しかし刹那の反射神経に阻まれる。


「まだまだ〜!」

「綾乃〜おちつけ〜ってうわー!!」


綾乃は得意の炎の属性による魔術で攻撃。


「兄さんはまだ魔術が苦手なんて言っているのですか!?」

「しかたないだろ〜!!」


そんな戦闘をしているとき姫子の携帯が鳴る。


「龍也…?」

「姫子。感染者が現れた。場所はお前がいる学校から西にいる」

「わかった…まかせて…」


姫子は携帯をポケットに戻す。

そして刹那に手招きをする。


「姫?なんかあったのか?」


刹那は姫子の近くにいく。


「刹那…感染者…」

「わかった」


それだけいうと刹那は綾乃の相手に戻る。


「兄さん?戦闘中に観客とお話ですか?余裕ですね?」

「綾乃時間がない。ごめんな。また今度ゆっくり相手してやる」


ちなみに試合のルールは簡単。

ブレスレットをする。このブレスレットは大きすぎる衝撃から1回だけ身を守る道具だ。一回耐えたら砕け散る。これを砕けば勝ち。

もうひとつは気絶をさせれば勝ち。


「なにをまだ終わっていませんよ!?」

「いいや終わりだ」


刹那は一瞬で綾乃の後ろに回った。

気づくと綾乃のブレスレットは砕けていた。


「兄さん?何を?」

「なんも。じゃぁまたゆっくりやろうな」


刹那は姫子と一緒に外へ出て行った。


ちなみに詩帆とヤトの勝負は詩帆の勝ち。


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