第一話
「戦争って…こんななんですね」
「あぁ…こんな戦争早く終わらせるんだ。戦争は悲しすぎる」
「早く…そうだな」
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「早く起きないと遅刻ですよ!?刹那兄さん!!」
「んぁ?」
「んぁ?じゃありません!早くしてください!!」
「あぁ悪いな綾乃。先に行っててもよかったんだぜ?」
「兄さんは私が起こさないと遅刻でしょう?」
綾乃。俺の妹。とてもよくできた妹だ。
「早くしてください!本当に遅刻ですよ!?」
「悪い!今着替え終わった!学校いくぞ!」
学校。もはや学校であって学校ではない。
十年前に起こった大戦争。二度目がないとは限らない。
だから学校では剣術、魔術など対抗しうる力を身につける場所となったのだ。
「兄さんはいつも遅刻ぎりぎりなんですから!」
「綾乃はいつも余裕だな」
「もちろんです!どうして兄さんにできないのか不思議ですよ」
学校についてしまった。地獄だ。帰りたい。
「兄さん?まさか帰りたいなんて…?」
「おもってない!さぁ今日もガンバロ〜!じゃぁな綾乃!」
俺は振り向かずに走り出す。
綾乃は怒り出すと怖い。逃げろ!逃げろ俺!
「おはよ〜ございま〜す」
「おい刹那!また遅刻ぎりぎりか!?」
「間に合ったんだからいいじゃないですか」
席に着く俺。
あぁ今日も何もない一日が…
「刹那ぁ一時間目の剣術実践勝負だぁ!!」
あぁ急にイベント…
「綾乃ちゃんかけて勝負だぁ!!」
「朝からうるさいぞ?夜兎。まぁ綾乃を賭けられたら受けるしかない!絶対に渡さん!」
「おいおいヤト。お前に勝てるわけないだろ?」
「詩帆やってみないとわからんぞ!?」
「そんなことよりヤト、刹那トレーニングルーム行くぞ?」
「すー…すー」
「寝てんじゃねぇ!!」
バキッ!
いってぇ…詩帆のやつ本気でやりやがったな…
何度くらってもいてえょ…
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「よぅしみんな来たかぁ?」
「せんせーはやくやろーぜー。今日こそ刹那をぶっ飛ばして綾乃ちゃんもらうんだよ〜!」
「ヤトには無理だな。まぁいい。みんなそれぞれ実践始めてくれ」
せんせーの合図とともにヤトは刹那に向かい走る。
「刹那ぁ〜覚悟〜!」
「遅いなぁヤト」
刹那はすでにヤトの後ろにいた。
「なんでお前はそんなにはやいんだよ〜」
「お前がおせぇんだよ!」
バキッ!ドカッ!
「せんせーヤトが死んだぁ」
「ほっとけほっとけ」
「お前らひでぇよ…」
そんな話をしていると詩帆が近づいてきた。
「おい刹那私の相手をしろ」
「いやだ」
「問答無用!」
「おたすけ〜」
刹那は詩帆に追っかけられる。
ちなみに振るっているのは木刀。さすがに真剣はあぶないのでということだ。
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「疲れた」
「綾乃ちゃ〜ん。うえ〜ん」
「ヤトうるさい!刹那本気で剣を振るわなかったな?」
なんで詩帆にばれてんだよ!?
「なぜそう思うのですか?」
「私がお前に勝てるわけないだろ!」
なんだそれ〜!じゃぁ挑むな!
「ところで詩帆次の教科は?」
「歴史」
「おやすみ」
「寝るな」
バキッ!
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時は昼休みの屋上
「めしめし〜♪」
「刹那が元気出るときってご飯時だけよね…」
「詩帆!俺も元気だ!」
「ヤトはどうでもいい」
「ガーン」
イチゴミルク飲みてぇなぁ♪
あれっ?
「しまったぁ〜!!!」
「なに!?」
「弁当忘れた…」
「兄さん!!」
「うわっ!びっくりした!綾乃かよ」
「兄さんお弁当忘れたでしょ?持ってきてあげましたよ?」
「さすがわが妹〜」
そんななかにはいってくるやつが一人…
「綾乃ちゃ〜ん♪」
「あらヤトさんこんにちわ」
「あいたかったよぉ〜」
バキッ!ドカッ!ゲシッ!
「いってぇ!せつなぁなにすんだよぉ!」
「お前死にたいのか?」
刹那の殺気はほんものだった。
当然ヤトは…
「ごめんなさい」
「兄さん何もそこまで…」
「綾乃こいつはとことんやっとかなきゃいけないんだよ」
そんな楽しいお昼でした。
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帰り道。
「疲れた…」
「お前は一日寝てたようなものじゃないか」
「詩帆さん兄さんは一日寝てたのですか?」
「ああそうだ」
「兄さん…わかっていますね?」
「ごめんなさ〜い!」
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「あんなにやんなくってもいいじゃんよ〜」
「兄さんがまじめにならないからです!」
ここは刹那の家。
喧嘩の声が聞こえる。
「だからそれは〜」
「だからじゃありません!!」
「もう綾乃は〜。ちょっと出かけてくるわ〜」
「ちょっと兄さん!?」
刹那は家をでる。
そこには女が立っていた。
「わるいな。待ったか?柊」
「いいえそんなことないわ。それより妹さん…」
「いつもの事ださぁいこうぜ。遅刻だ」
そういうと刹那と柊は夜の闇に消えていった。