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フューズ=ライトロル(教頭)

「駄目です、危険過ぎます!」


私はこの学校の教頭を勤める、フューズ=ライトロル。

実力はあるのに最低限の仕事しかせず自分勝手な学校長の代わりに多忙な日々を送っている。

今日もそんな学校長が馬鹿げた発案をしてきて、私は大きく反対した。


「新入生全てを迷宮に送るなんて何を考えているんですか!」


その発案とは、新入生にパーティーを組ませて初めて行う探索実習。

毎年、Aクラスは近くの最低難易度の迷宮、Bクラスは近くの山、Cクラスは近くの森、Dクラスは近くの草原と、クラス毎に難易度を分けて行っている。

当然下のクラスになるに従い難易度は下がる。

そんな探索実習で、全員を最低難易度とはいえ外とは明確に魔獣の数も質も違う迷宮に送るなんて。


Aクラスはこの学校に入る前から、親や家庭教師や道場等で鍛えてきた者だからある程度の力は持っている。

だけどDクラスなんてその辺の子供とそう変わらない実力しか持っていない、一ヶ月程度授業で鍛えた所で高が知れている。

これまでは怪我で済んでいたが、死者が出てしまう。


「だけどさあ、Bクラスの山探索はまだいいんだけど、Cクラスの森やDクラスの草原とか殆ど魔獣なんて出て来ないでしょう。道もきちんと補整されてるし、あんなものピクニックと一緒だよ」

「それは……そうですが」


確かにCクラスやDクラスが行く所に魔獣は殆ど存在しない。居ても殆ど脅威の無い魔獣だ。

王都傍の草原や森にそんな脅威がある方が問題なのでそれは仕方無いが、毎年CクラスもDクラスも魔獣に遭う事無く探索実習を終える事が多い。


「それに、最近殆どクラスの変動が無いじゃない。あっても一人か二人が上下するだけで。危機感が足りないと思うんだよね。寮とかに差をつけるのは良いと思うんだけど、実習に差を付けると上位クラスにも下位クラスにも良くないんじゃないかな」

「それも……そうかもしれませんが」


この学校は下位クラスの者が強くなり上位クラスに行く下克上が推奨されている。

下位クラスは寮等の環境が落ちる事になるので、上位を目指す様に促している。

だけど、此処数年は余りクラスの変動は起きていない。

下位の者が頑張っても、上位の者も頑張るので最初の差が埋まらないというのもあるかも知れない。

ただ、実習で上位クラスほど難易度の高い場所に行っている為、差が逆に広がっているという学校長の意見も間違ってはいないと思う。


「ですが、いきなり迷宮探索は危険過ぎます!死者が出てしまいます」

「うーん……だったら、上の学年の者を一つのパーティーに一人ずつ付けよう。二年……いや、三年を付ける。Aクラスは難易度が下がっちゃうけど、行ける奴は深くまで進ませれば良いだろ」

「……わかりました」


……はあ、反対しても駄目だとはわかっていたけど。

こういう学校長の思いつきに毎回反対しているが、撤回出来た事は一度もない。

これから他の先生に指導役として付ける三年に新入生に迷宮関係、調整しなければいけない事が多い。

せめて死者だけは出ない様にしなければな。

発案した誰かさんが手伝ってくれればいいんだけど……


「よし、じゃあ後はよろしくね」

「……わかりました」


……はあ。



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