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キャロル=ジュールディア(学校長)

今年の新入生には面白い奴が居るらしいのよね。


王族に、高位貴族の子供、獣人の長の息子に森人の族長の娘、今年は何故かそういうお偉い方の子供達が集まった。

王族に関しては、他の学校で政治に関して学んで貰いたい所だが、まあ、お転婆で有名だからね、騎士にでも成る積もりなのかね?

それらを抑えて新入生のトップに立ったのが孤児の二人というのにもびっくりしたけどね。


そいつ等は殆どAクラスに入ってるんだけど、Dクラスにも面白い奴が居るらしいのよね。

最初に話を聞いたのはルシアからだった。

学生の頃から友人のルシアとはよく会って話をするんだけど、そのルシアから布団を自慢された時は驚いた。

いや、偶に珍しい物が手に入った時とかは、自慢し合ったりするからその事そのものに驚いた訳じゃないんだけど。

まずはその品質、高位の魔獣の素材がふんだんに使われていて、それを熟練の腕の者が仕上げている。

あんな物はこの王都の高級店にだって幾つも無い。

そして、それを作ったのがまだ十の子供だってんだから驚くのも無理は無いだろう。しかもそれをただの寮母にポンと差し上げるってんだから……寮母にくれるんだったら学校長にもくれないかねぇ。


話を聞いてその子の試験の成績を見てみた。

頭は悪くないみたいだけど、他の成績は全て良くない。

で、あれだけの物を作り上げる腕を持ってるってんだから、この子なんでこの学校に来たのかねぇ。

普通に職人を目指せば良さそうに見えるんだけど、将来何になる積もりなんだか……


次にその子の話を聞いたのはドローグからだった。

どんな試験の仕方をしてるんだって、そんなもん知らないよ。入試を管理してるのは教頭なんだからそっちに言いなさいよ。

Dクラスの子の一人、武技の腕が卒業生以上らしい。他の成績が全部最低でもそれだけでAクラスに入れる程の腕だそうだ。

名前を聞くとルシアから聞いたのと同じ名前を言われた。

もう一度成績表を確認すると、武技評価は最低のE。

なんだいそりゃあ。試験で手でも抜いたのかね?意味があるとは思えないけど。


で、興味が出て来たんで、呼び出す事にした。今日は授業も無いし、少し位時間を取っても問題ないだろう。


また、随分と可愛い娘だねぇ。私の若い頃を見てるようだよ。

使い魔は玉猫族か、まだそんなに育ってはいないみたいだけど、玉猫族は便利な特殊能力を幾つも持ってるんだよねぇ。


私がちょっと考え事していたら、その子は私の使い魔のユベールと愉快なやり取りをし始めた。

随分豪胆な娘だねぇ、学校長に呼び出されて、まだ何の用かもわからないのに、よくこんな事が出来るもんだ。

子供っぽい性格をしてはいるけど、その力は神獣に匹敵するユベールを手玉に取る姿に笑いが込み上げて来る。


「あははっ!はははっ……ユベールをここまで手玉に取るとは、面白い子だね」


そう言うと、フィリアはポカンとした顔をする。

はははっ、面白い子だ。

試験では最低の評価で授業では最高の評価、熟練の作り手と思われる技術、話に聞くだけではよくわからないその人となり。

実際会ってどんな子か知る為に呼び出したんだけど、面白い子が結論で良いねこりゃあ。

この学校で何を仕出かすかが楽しみだ。


毎年クラス別で行く場所が別れる、新入生のパーティー実習。

今年はちょっと変えてみようかね。


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