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タマちゃんは一緒に居るだけで癒されますよ!

午後の授業は武技実技です。訓練場に向かいます。

ただ、私以外の三人の足取りは重く、ぐったりしています。

魔力相殺の遊びによる魔力切れが原因なんですけど、これから身体を動かす事になるのに大丈夫でしょうかね。

タマちゃんお貸ししましょうか?癒されますよ?



「よし、じゃあ今日は全員自分の武器を決めて貰うぞ。まあ、殆どの者は決まってると思うが、決まってない者は昨日調べた適正を参考に今日決めるように。

まあ、一生その武器を使えとは言わんが、一応武器に関しては申請するからな、武器を変える場合には色々面倒な申請をやって貰う事になるぞ。

決まっている者は一度今の腕前を確認するから、俺と模擬戦をやるぞ。決まってない者はその戦闘も見て参考にしろよ。じゃあ、誰からでもいいぞ、決まった奴から武器を持って掛かって来い」


ドローグ先生の言葉に皆が周りを伺っています。多分半分以上の者が既に武器を決めていると思いますが、やっぱり一番最初に手を挙げるのはちょっとと言う所でしょう。

こういう時クラスに一人位は、後先考えず掛かっていきそうな子がいそうですけど、このクラスには居ないようですね。

セツナもまだ休憩していたいみたいですし。

仕方ありません。まあ、最初でも後でもそう変わりませんしね。


「お願いします」

「……うん?武器はどうした?」


おっと、忘れてました。

私はタマちゃんから魔蜘蛛の糸を使って作った布を取り出します。


「布?布技か、珍しいな」


へぇ、布技なんて武技があるんですね。初めて布で戦う術を知ってる人に会いました。

私の布技は自己流(前世の漫画を参考にした戦い方)ですけど、この世界の布技と同じでしょうかね。


「先生、魔法の使用はありですか?」

「魔法は無しだ、武技だけで戦う」


魔法は無しですか。

私の布技は、『硬化』や『軟化』の魔法と組み合わせて戦うものなんですが、仕方ありません、魔法無しでもある程度は戦えるでしょう。


「他の者は見学しつつ次の者を決めて置けよ。よし良いぞ、掛かって来い」


構えらしい構えをせず、自然体で戦鎚を持つドローグ先生。

強そうですね、まあ、胸を借りるとしましょう。


最初の一手は、『槍』。

巻きつけた布は直線となって硬くなり、『硬化』と組み合わせれば鉄板をも穿ちます。

魔法無しだとそこまでは行きませんが、まあ痛くはあるかと思います。

ドローグ先生はそれを戦鎚を盾にして防ごうとします。


ん?これは、先生は布技というものを知っていても詳しい訳じゃないのでしょうか?それとも私の技を見たいのでしょうか?


戦鎚に布の槍が当たると同時に布を緩めた私は、そのまま先生の持つ戦鎚に布を絡めます。


「なっ」


布を引っ張り戦鎚を絡め取ろうとする私に、対抗して先生は力を込めます。

力比べで勝てる訳も無い私ですので、逆にその先生の力を利用して飛び上がります。

と共に布を外し、先生の力をすかせると、先生が後ろに体勢を崩します。


そこに、もう一度槍を作り上空から一突き。

でも、そこは流石先生、無理な体勢から戦鎚を振るい、布の槍に当ててきます。

ただ、ここまでは読んでましたので、布を緩め槍を解きその衝撃を緩和します。

そうして、更に酷く体勢を崩した先生に一撃を……与える予定が、衝撃を緩和しても物凄い力でした。

その力ある戦鎚に布を巻き込まれ、その勢いで身体を吹き飛ばされます。


布を操作する事で斜め上方に吹き飛んだので無事着地出来ましたが、地面に叩きつけられでもしてたら危なかったです。

先生が生徒に対して振るう力じゃありませんよ、全く。それとも生徒の武器に対して振るってるから良いのでしょうか?


さて、次はどの一手から始めましょうか?


「ここまでだ。フィリアの力は良くわかった」


私が飛んでいる間に体勢を直した先生が模擬戦の終了を告げます。

まだ、技の半分も見せてませんけど、流石は先生見極めが早いです。


まあ、一人にそんなに時間も使えないでしょうし、今日は武器を決める事が主なんでしょうね。


「じゃあ、次の奴……ん?まだ決めてないのか?」


私の後に続くものは居ませんでした。

先生があんな力を振るうから怖くなったんじゃないでしょうかね?


「じゃあ、アルト、お前は武器を決めたか?」

「えっ!?は、はい、一応剣で行こうかと」

「よし、じゃあ、掛かって来い」

「えぇ……はい、わかりました」


先生と目が合い、人身御供にされたアルト君。

可哀想ですが、先生もあの力を直接ぶつけたりはしないでしょうから安心を。……多分ですけど。



贔屓だと思います。

なんです、あの手加減。

私に対して振るった力の半分も込められてませんよ。

その上助言も。

確かにアルト君に対して同情はしていましたけど、あそこまで差が有るとですねぇ。


アルト君に対する手加減で安心したのか、他の武器が決まった皆も順番に先生に挑みます。

……うーん、私の後に続かなかったので先生が失敗を悟って、手加減を大きくしたんですかね。

それだと、私だけ損してませんかね。何か釈然としません。

まあ、別に怪我を負ったりもしてませんし、良いんですけど。



何人かが先生に挑み、ある程度時間も経った事でセツナ達の体調も戻ったようです。

武技に関してはセツナは心配要らないでしょうから、気にするのはセルジュとロロですね。


セルジュは杖を選んだようです。

まあ、セルジュに関しては武技は魔力切れの時の護身術程度な考えでいいのかもしれません。

武技とか以前に体力を付ける所から始めないといけませんし。今はどんな武器でもそう変わりないでしょう。


問題はロロですね。

やっぱり大剣を選んでいるようですが、うーん。

力はありますけど不器用ですから、重く破壊力のある武器が良いんですが、あの小さな身体で大きな武器は使い辛いんですよね。

ただ、身体が小さいのでリーチが短いですからね、大きな武器でそれを補助するのも悪くは無いんですよね。

問題はちゃんと使いこなせるかって事ですけど、あの振り回されてた姿を思い出すとですねぇ。

好きな様に決めさせたい所ですけど、こういうのって生死に直結しますからね……うん、先生に丸投げしましょう。

本気で使いこなせないようなら先生が助言するでしょう。

助言を受けて武器を変えるならよし。

助言を受けても変えない位強い意志があるならそれもまたよしとしましょう。



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