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タマちゃんの好物は甘い卵焼きです!

取り敢えず魔法習得の授業も無事済み、お昼ご飯の時間です。


「そういえば昨日は購買に行ったんだけど買えなくてさ、結局食堂の美味しくないご飯を食べたんだよね」


セルジュも普段通りに戻っていて良かったです。

でもセルジュは敗残兵だったんですね。悲しい事です。


「あの戦争にセルジュが参戦するのは難しいでしょうね」

「……だよねぇ、はぁ、また美味しくないご飯を我慢して食べなきゃいけないのかぁ」


セルジュに哀愁が漂っています。やっと授業での落ち込みから立ち直ったのに再びどんよりしています。

そしてそれはロロにも移っています。ロロは昨日購買でパンを買えたらしいのですけど、買えたのは奇跡的な幸運のお蔭らしく今日からは無理だろうと思っている様です。


「そんなセルジュとロロに朗報です。私とセツナも昨日食堂で食べたんですが、あまりの不味さに弁当を作ってくる事を決意しました。そして三人分も五人分もそんなに作る手間は変わりませんので、セルジュとロロの分もあります」

「ほんと!?」「むっ!?」

「ええ、何処か良い所を探して、四人で一緒に食べましょう」

「ありがとうフィリア!本当にありがとう!」「むー!むー!」


大喜びのセルジュとロロ、何か泣いて喜んでますけど、大げさですねぇ。

まあ、私もあの食堂のご飯を一年中食べなきゃいけないのは軽く拷問だと思いますけど。


「それじゃあ、何処か日の当たりの良い場所でも探しましょうか」




校舎傍の林に入る手前にベンチがあったのでそこで食べる事にしました。

私は作ってきたお弁当をタマちゃんの中から取り出して広げます。


「うわぁ、美味しそうだね」


うんうん、料理は裁縫の次に好きですからね。遠慮なく食べてください。


「そういえばフィリア、これ寮の厨房で作ったの?」

「はい、そうですよ」

「よくルシアさん許してくれたね」


セツナがちょっと疑問に思ったのか訊いてきます。

確かにルシアさんは自分以外が厨房に入るのを禁じていますからね。手伝うとしても配膳位しかやらせて貰えませんし。

お弁当を作りたいから厨房を貸して下さいと頼んだ時も最初お断りされましたよ。


でもそこはそれ、ルシアさんって私達の一つ下のお孫さんがいらっしゃるんですけどね、名前はクレアちゃん。

寮に遊びに来ていたクレアちゃんに入学前に偶然会って友達になったんですけどね。

会った後、そのクレアちゃんとルシアさんにお揃いの着物をね、似合うんじゃないかなぁと思って仕立て始めたんですよね。

別にこの先交渉材料になるかもと思って作り始めた訳じゃ無いですよ。

で、昨日完成したので、今日の朝良かれと思ってプレゼントしたんですけど、ルシアさんはお優しいですからね、代わりに厨房を好きに使って良いよと食材も使い過ぎなければ使って良いよと言って下さったんですよね。

本当、有り難い事です。


「ルシアさんは優しいですから、ちゃんとお願いすれば聞いてくれますよ」

「そうかなぁ?それフィリアだけじゃない?……まあ、いいけどね」


セツナがちょっと疑いの眼で見てきましたけど、直ぐにお弁当の方に目が行きました。

そうそう、細かい事は気にせずご飯を食べましょうね。

はい、タマちゃん、あーん。



作ってきたお弁当も無くなり、皆満足してくれた様で、良かったです。

さて、残りの時間はセルジュの魔法制御を頑張って見ましょうか。


「と言う訳で、魔法力の調整の練習しようと思います」

「……と言う訳ってどういう訳?突然だね」


満腹になってゆったりしていた三人が、私の言葉に鈍い反応を返します。

まあ、ロロとセツナは目をやっただけですけど。

私は気にせず説明に入ります。


「魔法力はですね、強ければ良いというものじゃないです。まあ最大魔法力は強い方が良いですけどね。

その時使いたい規模の魔法によって魔法力をきちんと調整する事で、無駄な魔力消費を防げるんですね」

「へー」


まだ反応が鈍いですね。


「で、それの訓練兼遊びなんですけど。じゃあ、セツナ手を出して下さい」

「私?いいけど、はい」


セツナが出した手に私は手を合わせます。


「じゃあ、次に私に向かって魔力を流して見て下さい」

「えっと、こう?……あれ?」


セツナは魔力を流している感覚はあるのに、全然流れている気がしなくて不思議に思ってる様です。

これはですね、魔力の相殺です。

基本的に他人の魔力は打ち消し合います。だから他人の身体に魔力を流そうとしても直ぐに消えてしまいます。なので敵の体内で魔法を発生させる等は出来ません。

治癒魔法も物凄く難しいです、魔法の状態であれば消えませんので、治癒の効果のある水を作ってそれを掛けるとか飲ませる事なら出来ますけどね。


ただ、打ち消しあうとはいえ、相手の身体に触れた途端消えてなくなる訳ではありません。ロロに魔力を感じてもらった時の様に少しは流れます。

セツナの今感じている状態は、私が殆ど同じ量の魔力を流している事が原因です。

この遊びは相手が流してくる魔力を感じ取って、それと同じ量の魔力をこちらからも流すという物です。

セツナが魔力が全然流れないのを不思議に思って、魔法力を強くしたり弱くしたりしている様ですが、私もそれに直ぐに対処します。

これ、結構難しいんですよね。私の方が強かったら、セツナの方に魔力が流れちゃいますから、同じ量を見極めて素早く対処しなきゃいけないんですよ。

これをある程度やれる様になれば魔法力の調整は完璧になります。最大魔法力、魔力量の訓練にもなりますので一石二鳥、いや他にも幾つか効果があるので一石五鳥位ですね。


と言う様な事を、魔力が流れないからむきになって、魔力量が無くなるまで流しちゃって、ダウンしているセツナを横目に説明します。

睨まれてますが、身体の状態的に逆に可愛いですので問題ありません。


「それじゃあ、やってみましょう。失敗しても魔力の状態であれば影響を及ぼしませんので、安心してやって下さいね」


セルジュが不安そうにしていますけど、この遊びはどれだけ魔法力魔力量に差があっても危険は殆どありません。

魔力同士が打ち消しあうなら、一方の魔力が多かったら相手の体内の魔力まで全部打ち消す事が出来そうですけど、それは出来ません。

何故なら放出された魔力より体内の魔力の方が安定しているからです。基本的に体内の魔力の方が放出された魔力より強いのです。

最悪で今のセツナの状態になる位ですね。それもじっとしてれば直ぐに回復します。


私の追加の説明にやっとセルジュも安心したのか、ロロとやり始めます。

ロロは魔法力、魔力量共に低いですから、逆にセルジュの方が難しいんですが、まあこれを出来る様になれば完璧な魔法制御に一歩前進しますからね。頑張って下さいセルジュ。


えっと、フィリアは天然な娘だった筈なんですけど、何か腹黒になってる気がします。

……この先も変わるかも知れませんがあまり気にしない方向でお願いします。


魔力や魔法の設定は、全体的に漠然と決めてあって、書きながら考えて付け足したりしています。

……いずれ、いや既にもう矛盾点があるかも知れませんが、これも気にしない方向で。


作者のてきとーな性格がいけないのです。

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