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プロローグ
「女は無敵よ」
そう言った母の言葉を信じここまで生きてきた。
そう、確かにその通りだと麻衣は思う。
中学三年間、その言葉を信じて生きてきたのだから逆にその通りでなければ悲しすぎる。
でも、そうだろう。
いや、絶対そうだ。
女は、 私は、 無敵なんだ。
よくいっつも自分がヒーローになって皆を助けて世界の英雄になる想像をした。
そのどれもが無敵で。
強くて。
完璧無欠な存在で。
そうだ、これが私のあるべきなんだと思った。
イタイのは百も承知。
だからって、皆みたいに流されたくない。
自分の憧れを見失いたくないのだ。
ほら、目を閉じて。
そこに映るのは自分の憧れであってまた未来の姿だ。