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入学準備

 


「さて、そろそろ行こうか」

「……うん」


 僕たちの出会いが終わった翌日、僕とセツは聖魔学園に向かおうとしている。

 本当は昨日のうちに行きたかったのだけれどね……



 昨日あのあとセツが倒れた。

 考えてみればあたりまえのことだ。行き倒れていた人なのに助けてから与えたのは水を少量のみ。僕は鬼か。

 僕は大慌てで栄養剤と食べやすいものを用意してゆっくり水と一緒に飲ませ、ベッドに寝かせた。

 セツは幸い数時間で起きたので本当によかった。


 その頃には昼を回っており、僕は大遅刻確定、セツの入学も間が悪い。なので午後はゆっくり僕と過ごしていたのである。どうせ僕はなにもしてなくても問題児だし大丈夫だろう。


 その後寮に帰ったが案の定寮長に捕獲され、こってり絞られている。ちなみに寮長は門限を破る者は悪魔でも許さん! と言っているので僕のことを嫌ってはいるものの、怒る時は普通に怒る。たちが悪いな。



 とまあそんなわけで今日から聖魔学園に行くわけだけど、学園に向かっている間にセツにしっかり学園のことを教えておいたほうがいいかもしれないな。


「セツは今日から入学することになるんだけれど、王立の学園に入学式とかはないんだ。」

「……? それじゃ、私はどうする、の?」

「最初に校長先生と面談をして、修める科目を選ぶんだ。その後に使い魔との契約をしたら、あとはそのまま既存の一年として扱われる。説明もなんもなしにね。」


 僕は肩をすくめながらそう説明する。まったく酷い学園だ。

 とはいうものの王立学園は十五〜十八までの全ての人、亜人族の在学を認めている。王立学園では衣、食、住など生活に関わるすべての費用が免除され、さらにその人の身分に合わせた、つまり農家なら農家になるための授業、貴族ならば立派な貴族になるための授業が用意されている。そうとなれば王国中の全ての若者が集まるのは当然である。

 王国内に王立学園は四十八校。それを考えれば入学式なんてやってもいられないだろう。人が多すぎて。

 なので十五歳になったものから入学、修了証書を貰った者から卒業というスタイルになっているらしい。


 セツが学園の雑さに憤りを感じているのではないかと伺ってみるもどうやらセツが気になっているのはそこではないらしい。


「……使い魔? 君のルーンと同、じ?」


 なるほど、そういえば説明してなかったかな。


「使い魔は王立学園の入学時に契約することが義務づけられているんだ。そして一生契約を解除することはできない。人生のパートナーになるわけだね。」

「……宿屋の主人や他のお客さんは連れてなかった、よ? あと、使い魔と契約するといいことはある、の?」

「使い魔は僕たちが見られる可視化状態と、特別な能力がない限りは見ることができない不可視化があるんだよ。

 それと使い魔と契約することで自分が持つ異能が発現するんだ。」

「……便利、ね?」

「まあ一般的にはそうだね。 ただ、僕の使い魔のルーンは不可視化ができない。 それに僕には異能が発現していないんだ」


 そう、僕のルーンは不可視化ができない。それがある意味僕にかかっているカラスの呪いなのかもしれないな。


 そんなことを話している間に到着したな。


「さて、ここが王立聖魔学園だ。セツは僕といる限りこれから困難が待ち受けるだろう。覚悟はできているのかい?」

「……当然。あなたは私が守るもの」

「わかった。僕も君を守ってみせる。それじゃあ行こうか」



 僕たちは二人一緒に学園の門をくぐる――

少し説明回が続くかもしれません

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