真っ赤な茶番劇
駄文でございます。ご注意ください。これから成長していきたいと思っているので、ご感想、アドバイス、いただけたら嬉しいです。
11月の夜、少し気が早い街はイルミネーションで輝いている。月の光が色褪せて見えるくらい。それはそれは明るい。
「不景気な癖に。」
なんて心の中で呟いたりしながらその中をゆっくりゆっくり歩いていく。
「少し早く出ちゃったか。」
と苦笑い。
華奢でいかにも可愛らしーい真っ赤な真っ赤なミュールを履いたあたしの足は、早く早くあなたとの待ち合わせ場所に向かおうとする。でも、それを抑え、ゆっくり歩く。
この間は10分前に、その前は10分遅くに到着したから、今日は20分ほど遅れて行こう。
携帯電話を取り出し時間を確認するついでにマナーモードを解除する。さらに着信音量を1から3へ。
自分の行動に、あたしはにやりと口の端をあげる。
その口に引かれたルージュもこの前の可愛らしいピンクとは違い、いやらしい赤。
自分自身の行動に呆れてしまう。
自嘲的な笑みが溢れる。
あたしったら、一人で笑いすぎね。
あなたに出会ってからのあたしはおかしい。
無理に背伸びして、大人の女を演じようとして。
なぜこんなに素直になれないのか。
いや、理由は分かっている。
怖いのだ。
けれどこれが自分の首を絞めている気もする。
ああどうしたものか。
あたしは弱い女。
ねえ、どうかあたしを見捨てないで。
このくだらない茶番にもう少しだけ付き合って。
こんなことをしなくていいように安心させて。
またケータイを取り出し時間を見ると30分の遅刻。あら、予定外。
「おーい。」
気が付くと数メートル先には大きく手を振るあなたが。
きっと今日のこの自分自身予定外な遅刻にも、あなたは怒らないんだろうな、なんて考えて、またにやりと笑った。
こんな駄文に目を通していただき、ありがとうございました。