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ユリウス 副章Ⅰ



「ラミエル、騒がしいけど何事だい?」

「今日はサーカスが来ていますからね。町中お祭り騒ぎですよ」

「ふぅん」

 宮廷騎士団長ユリウスは書類に目を通しながらさもどうでもよさそうに返事をした。

「騎士団長はサーカスを観たりしないんですか?」

「興味ないな」

「えー、面白いのに」

「いいから、仕事しなよ」

 彼がそう言った瞬間だった。

 外に爆音が響く。

「……リヴォルタか」

「起爆瓶ですね。そんなに大きくない」

「相変わらず耳は良いね。行くよ」

「えっ? は、はいっ」

 不機嫌な騎士団長は剣を取り、部屋を出る。

「カァーネ」

「はい」

「僕は少し外を見てくる。ラミエルもだ。君は陛下のお傍に」

「はい。リヴォルタの仕業と考えてよろしいのですね」

「ああ。少なくとも僕はそう考えている。ラミエル、爆発があったのはどっちだい?」

「大聖堂の方です」

「解った。行くよ」

 不機嫌そうに彼は廊下を歩く。

 このときばかりは広すぎる宮廷を恨む。

「人数は?」

「……爆発を起こしているのは独りだと思います」

「じゃあ、他にも誰か居るってこと?」

「爆発を防ぐ人と、あとは何だろう……凄く嫌な感じの人が居ます」

 使えない。

 彼は思った。

 この少年は戦いにはまず使えないが、異常な聴覚を持っている。情報収集には利用できると考えていたが、正確な人数を把握できないのであれば足手まといになると判断した。

「君、留守番する?」

「え? でも……」

「まぁいいや。ついておいで」

 万が一逃げられた時には追跡にこの少年の能力が必要になる。

 彼は足早に廊下を進む。

 少年は置いていかれないように、必死で後を追った。



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