ため息の分だけ
春霞、あなたは何を想って
過ごしていることでしょう
「元気でやってます」
その言葉だけは、
いつも手元に準備をしてる
記憶を通り越して
わたしは何度もあなたのことを想う
やがて、透き通るようになっても
たまには、朝早く起きて
歩きにでも出かけてみよう
一人称は慣れたもの
春霞の中へ向かっていこう
思いの外、あたたかくて
春風になびくようになったら
大きく深呼吸してみる
まえのわたしなら
ため息の分だけ、
大きく息を吸ったこともあったっけ
あなたともしも、
すれ違ったときを想定して
元気でやってるよ、と
当たり障りのない感じで
言えるようにと
あなたには、まだ話していないことも
たくさんあるからね