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ほのぼの日常シリーズ

聖騎士副団長ウィークスの悩み(2)

作者: IQ114の類似6

短編小説ですが(1)からお読みいただけるとより楽しめると思います。


もうすぐ本編の異世界の権力者でもウィークスが主人公のようなシーンを演出してくれます。


そちらもぜひお楽しみにお待ちくださいませ。

異世界の権力者 スピンオフ作品


聖騎士副団長ウィークスはポーカーフェイスである。

37歳、女性、独身。聖騎士国内において序列2位である。


ウィークスの感情を読み取ることは難しい。


聖騎士団長も各師団長も感情を読み取れない。


しかし無機質なポーカーフェイスではない。

顔には温かみと優しさが感じられる。


喜怒哀楽の表情が顔に表れないだけである。


ウィークスの前髪は真ん中で対象に分かれており、

顔の輪郭に沿って髪が三日月のように流れている。

後ろ髪は普段、頭のてっぺんでお団子にまとめられている。


ウィークスは常におしゃれに気を遣う。


ウィークスが街を歩くとすれ違う者皆がウィークスの美しさを目で追いかけてしまう。


ウィークスは職業柄、視線に敏感である。どのような目で見られているかよくわかる。



自室でウィークスは小さくため息をつく。


「誰も私のことを見てくれない...」


今日はオフの日。


ウィークスは普段、鎧かパンツしか履かない。

今日はスカートを履いて気分を変える。

手足の指もネイルで楽しむ。


ウィークスは街に出る。

すれ違う人ウィークスの容姿端麗さに目を奪われる。

男性からも女性からもすれ違うすべての人に見られる。


「やっぱり誰も私のことを見てくれない......」

ウィークスは表情を変えず心の中でため息をつく。


「買物をしても、カフェに入っても、だれも私を見てくれない」

ウィークスはそれはいつものことと自分に言い聞かせる。


夕方の鐘の音が鳴る。

ウィークスは休みの日には必ず訪れる図書館を出て自宅に向かう。


ウィークスは首都アストロフィライトの統治者である。

ウィークスの自宅は王宮の中にある。


「副団長!お疲れ様です。本日はお休みでしたね。」


ウィークスは王宮内部を歩いていると日勤の副官セカンドとモーメントとばったり会った。


「ご苦労様」ウィークスはいつものように返事をする。


「今日はスカートですね」モーメントがウィークスに声をかける。


ウィークスは頬がわずかに緩む。

「副官は私を見てくれている」心の中でミニウィークスが喜んで飛び跳ねている。


「副団長、大丈夫ですか?」セカンドが声をかける。


「どうかした?」ウィークスはいつもの変わらぬ表情で答える。


「いや、いま、一瞬、副団長の表情が変わりましたので」セカンドが答える。


「見間違いだと思うわ」ウィークスは平然と答える。


「誰も気付いてくれない私の表情の変化に気付いてくれた」

「二人とも私を見てくれている」 

心の中のミニウィークスは両手を天に広げ大喜びをしている。


「引き続き任務をよろしくね」ウィークスはそう言うと自宅へ足を進めた。


と同時に心の中でこう思った。

「いつか私の胸の変化にも気付いてね......」


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