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陰謀の影には美女がいる~続~  作者: 篠貴 美輔
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7章 追跡

内山は早速ユーズドカーを訪れ、マイカー用のエコライフを注文した。


店員『あれ?エコライフは販売中止になってませんでしたか?ランディアさんに問い合わせてみますね。』


ランディアに問い合わせの電話をかけた店員は、驚きつつも再販を受け入れた。


店員『では今日注文しますので、2、3日で届くと思います。そのときにまた来てください。』



内山は代車に乗り込むとすぐに夏木に報告を入れた。


内山『これであとはタイヤの流れを追うだけね。あとはお願いしますね、藤木さん。』


藤木は株式会社ランディア本社併設のタイヤ倉庫を監視し、小島運送の車両が現れるのを待っていた。


藤木『あ、あれかな?』


小さいワゴン車に小島運送の文字。

中から出てきた男は、忙しなくエコライフを積み込み、ユーズドカーへ向かい出発した。


藤木『ちゃんと届けろよ?まったく。』


今積み込んだエコライフは間違いなく不良品などではない。


藤木は、タイヤの行方を追い始めた。


------------


藤木『まずはコンビニ…と。チッ、休憩してんじゃねーよ。』


小島運送のワゴンはコンビニに入り、運転手はコーヒーを購入したようだ。


藤木は苛立ちを隠せない。


藤木『俺の読みが正しければこいつは寄り道してユーズドカーに行くはずだ。』


小島運送のワゴンが走り出すと、藤木も慌てて車を走らせる。


そして辿り着いたのは、ギャロップタイヤ本社だった。


藤木『はぁ、やっぱりな。ここでタイヤを下ろして…予想通りだ。写真も撮っとかないと。』


小島運送の男は、ランディアから運んだエコライフを持ち出し、ギャロップタイヤの社屋へ入っていった。

しばらくして出てきた男の手にはエコライフがあった。


藤木『あれが本物かどうかだな。』


小島運送のワゴンは再び走り出した。


そして程なく、ユーズドカーへたどり着いた。


------------


藤木がタイヤの行方を見届けた翌日、内山の車にタイヤが装着され、ユーズドカーから内山に連絡が入った。


内山『では回収してきます。予想通り小島運送もギャロップタイヤも動きましたね。おまけにタイヤもいただきです。』


藤木『まじかよ、すごい作戦だな。後は内山の車についているタイヤが本物かどうかだ。』


内山が帰ってくると、すぐに在庫のエコライフと交換して、装着されていたタイヤを株式会社ランディア研究所へ送った。


内山『あとは研究所からの連絡を待つだけですね。それと…夏木さん、狩野さんと連絡は取れますか?』


夏木『一応友人なので…携帯の連絡先はわかりますよ。』


内山『匿名のメールアドレスから連絡をしましょう。すべてを知っているって。きっと向こうからアクションを起こしてきますよ。』


夏木『さすがですね内山さん…味方になってくれて本当に良かった。』


内山『でもタイヤ代はきっちり経費で落としてもらいますからね。』



ギャロップタイヤ、そして小島運送。

敵の姿がはっきりと見えた。


株式会社ランディア一同は、社長を救えるのか。



------------


―あなたのやっていることは全てわかっている。塀の中で暮らすことになりたくなければ、話し合いの場を用意すること。―


内山『これで良し、と。』


内山は次の一手を打った。

返事を待つのにコーヒーを淹れていると、意外にもすぐ返事が来た。



―あなたは誰ですか?なんの話ですか?―



内山『まあ、とぼけますよね。では…』



エコライフ

小島運送



内山『この二つのキーワードだけでパニックでしょうね。ほら、また返事が。』



―2人だけで話せませんか―



内山『かかった。でもまだ…。』



―2人では話せません。要求が飲めないなら近いうちあなたの会社に伺うことにします。―



内山『どちらにしても話し合いに持っていきますね。』


夏木『内山さんちょっと怖いです…』



―困ります。わたしはどうすれば―



内山『あとはしばらく放置しましょう。そのうち痺れを切らすはずです。』


藤木『最初からここまで考えて…?内山さんはほんとに頭がいいな…』


内山はその後丸一日、メールを放置した。



------------


内山の作戦は想像以上に成果を出し、狩野とのメールのやり取りも実り話し合いの場が実現した。


場所はギャロップタイヤ本社。狩野はメールの相手が株式会社ランディアの社員であることにすら気づいていなかったようだ。


内山『話し合いの場が出来上がったとはいえ、場所は敵地。初めは拒んでいたのに結局本社に呼ぶとは…なにか考えがあるのかもしれない』


夏木『とはいえこれだけ攻撃材料が揃っていればきっと大丈夫。』


藤木『あとは証拠を提示して言い負かすだけだな。』


夏木『念のため、あの方にも連絡をしておきます。あの人ならエコライフか、そうでないタイヤか、すぐにわかるはず。』


高中『待って、俺まだはっきりとわかってないんだけど、何がどうなってるの?』


内山『おそらく、事故を起こしているタイヤは、エコライフのレプリカタイヤ…』


高中『レプリカ…??そんなものが作れるのかよ…』


藤木『できるさ。敵は業界ナンバーワンのギャロップタイヤだ。それに、狩野が持っていったデータがある。研究途中の不完全なデータを再現して作ったんだろう。』



株式会社ランディアの推理は正しいのだろうか。


夏木、藤木、内山の3人はギャロップタイヤ本社を訪れた。


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