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37 無血戦争の結末



――――その作戦は功を奏した。


「フェーダ、ありがとう。来てくれるって信じてたよ」


 大挙襲来していたギルド勢が城の前で屯する中、姫君のバルコニーからの宣戦布告がきっかけとなり、一堂は同じタイミングで城内に集う事となった。


 ギルド勢は姫君を拉致したい。

 教会側はその前に姫君を始末したい。

 フェーダはそれを阻止したい。


 姫君が居場所を明確に示した事で、各勢力が衝突するのは必然となった。

 尤も、ギルド勢が30人も押し寄せてくるのと、その中にガルフェロイやフェーダの兄が混ざっていたのはマルテにとって想定外だったが――――


「それは皮肉か?」


「勿論」


 憔悴しきたフェーダが、ニッコリ笑うマルテの顔を見た途端、生気を取り戻す。

 フェーダ自身、奇妙だと自覚していたが、事実である以上受け入れる他なかった。


「あのランプの炎はお前の仕業か。全員、意図的にここへ集められたという訳か? 中々の策士だな」


「どうかな。火炎崇拝の民族が四百年以上前からやってる儀式を参考にしたんだけど」


「……そうか」


 エデンに続きフェーダにも全く凄さが伝わらず、マルテは心中で若干凹んだ。


「あの小娘の側にいた少年ではないか。君達を含めた三勢力を一堂に会させ、一方的に攻撃されないよう仕向けたのだな。確かに策士だが……」


 そのマルテを、半強制的に自分の方へ向けさせる。

 ガルフェロイの嗄れた声には、多くの人間を引き連れる人物特有の求心力があった。


「君は以前、既に教会関係者の知り合いを頼ると言っていたが、そこの彼の事かね?」


「いえ。リリルラっていう子なんですけどね。快く面倒見てくれていますよ。まるで保護者みたいに」


「……」


 姫君達を小娘と呼んだガルフェロイの言葉を逆手に取った皮肉。

 元々表層だけだったが、ガルフェロイの顔から完全に感情が消えた。


「落とし所は考えているのかね?」


 プライドを傷付けられた訳ではないにしろ、先程のやり取りはガルフェロイにとって不本意だったらしく、圧力が一段と増す。

 マルテ達の目的が姫君を守る事にある以上、このガルフェロイをやり込めなければならない。

 仮にこの場を凌いだところで、彼をどうにかしなければ事態は好転しない。


 だからこそ、マルテは姫君とエデンを外に逃がそうとした。

 しかし、あの二人に『逃げ続ける』という人生は圧倒的に似合わない。

 マルテは、ここで決着を付けるつもりでいた。


「一応は」


 腰に下げた袋の紐を解きながら、マルテは軽口を叩くようにガルフェロイを煽る。

 勿論、内心かなり冷や冷やだったが、ここで嘗められては纏まる話も纏まらない。

 全力で演技をしながら、袋の中身を取り出した。


「これ、空気中の魔力を測定できる小箱なんですけど」


「何?」


 マルテに対し不快感を滲ませていたギルド員達の敵意が、ガルフェロイのその一言で露と消える。

 明らかに、強い興味を持った声だった。


「馬鹿な事を。そのような道具が開発中とは聞いているが、第一聖地でもまだ試作段階だった筈だ」


「ええ。だから無理を言って試作品を貸して貰ったんです。ヴィルノー総合魔術研究所って所なんですけど、御存知ありませんか?」


「……」


 具体名が出た事で一気に信憑性が増し、ガルフェロイの目が木箱に集中する。

 彼だけではない。

 つい先程までフェーダを糾弾していたチャクも、驚愕と好奇心を混ぜたような目で眺めていた。


 研究畑の人間にとって、最先端技術によって開発されたアイテムは宝物のような物だ。

 魔術にそれほど詳しくないフェーダには、これが如何に価値のある物なのかはわかっていなかった。


「まさか、それを差し出す代わりに総大司教の娘を見逃せと言うのかね?」


「いえ、まだ半信半疑でしょうし。それより、これを使った測定で面白い結果が出たんですよ。この城の空気には、微細ながら魔力が常に含まれています」


「……む」


 唯一反応を示したのはガルフェロイ。

 マルテは、その予想通りの展開に内心ほくそ笑んだ。


「ここに邪術はないと、貴方は考えているみたいですが……この情報を聞いても、意見は変わりませんか?」


 以前の面談時、開口一番に邪術の話をした事。

 そして、最初にギルドで声をかけられた際にこう言われた事。



 ――――『邪術』と『教会』には関わらない方が賢明だ。忠告はしたよ



 教会という言葉よりも邪術を先に出したガルフェロイが、邪術の専門家だと推察するのは実に容易だった。

 何故なら、マルテもまた邪術を専門とした考古学者を目指しているからだ。


「興味深い話ではある……魔力の慢性的な飛散は邪術発動中の兆候……だが、それだけでは心証を覆すほどでは……」


「ガルフェロイ殿! 騙されてはなりません! 空気中の魔力測定など、この子供が勝手に言っているだけの事ではないですか!」


 チャクの戒めは正しい。

 だが明らかに説得力には欠けている。

 彼もまた、つい今の今までマルテの話を食い入るように聞いていたのだから。


「……そうか! エルアグア教会の融解魔術と同じ……この城が魔具なのか!」


 だがガルフェロイは忠告になど耳を貸さず、自分の着想が正しいかどうかの確認を、遥か年下のマルテに向け懇願するような目で促した。

 マルテも一度は、この結論に傾いた。

 だが魔具を使わずに魔術を使えるというフェアウェルの特性を知った今、正解でない事はわかっている。


「御明察の通りです」


 そして、それを正直に告げる必要は何処にもない。

 マルテは――――勝利を確信した。


「でも、この城に魔石はありませんでした。なのに、魔力の霧散現象は継続中です。どうしてでしょうね?」


「……この私めを試す気か」


「試したいのは貴方では?」


 常に威厳を保ってきたガルフェロイの顔が、まるで若返ったかのように、ある感情の一群を顕在化させる。

 それは、研究者や学者がどれだけ年老いても、決して失わないもの。


 新発見の歓喜だ。


「証明……せねばなるまい。見つけてしまった以上は」


「ガルフェロイ殿……?」


「チャクよ。君達一族にとっても決して悪い話ではない。自律魔術の実用化を早める事が出来るやもしれぬ。それに……この仮説が正しいならば、総大司教の娘は決して自律魔術を普及させる事は出来ない。そうだな? 少年」


「はい。そもそも、彼女はそんな事に興味はないんです」


 マルテのまだ幼さが多分に残る顔と、年老いたガルフェロイの顔。

 皮膚の質や皺の数は全く違うが、二人は同じように微笑み合った。


 そして、ガルフェロイはその顔のままギルド員の方へ向かって――――


「聞け! キャルディナはこれより教会との"長期抗戦"を開始する! 奴等の掲げる下らぬ条例は、この私めの目が黒い内は決して通させはせぬ! 安心して付いてくるが良い!」


 高らかにそう宣言。

 次の瞬間、ギルド員達は――――総じて歓喜の声を上げた。


 彼らは決して、総大司教の娘を利用して教会を弱体化させるというガルフェロイの案を心から受け入れていた訳ではなかった。

 ガルフェロイもまた、その空気を察していた。

 教会に対抗する手段がないから、仕方なくそうしようとしていたに過ぎない。


 だが、今は違う。


「良いのですか……?」


「総大司教の娘が物憑きでない確証を得た。これが、教会への脅迫材料となろう」


「え……? それはどういう……」


 事態を飲み込めず、チャクは急に方針を変更したガルフェロイにただただ慌てるばかり。

 一方、ガルフェロイは満足した顔でマルテと再度向き合った。


「あの娘の物憑きとは、邪術によるもの。そして魔力の霧散現象の鍵を握るのはあの娘。そうなのだな?」


「確証はないですけど、僕はそう見てます。自分の魔力に人格を宿す……自律魔術と似て非なる力です」


「ならば魔石は……いや、調べればわかる事。あの娘をここへ連れて来たまえ。私め自ら話をさせて貰おうではないか」


 この場にフェアウェルを連れて来い、同じフィールドに立たせろとガルフェロイは言っている。

 それに対するマルテの返答は、即決だった。


「拒否します。それは出来ません」


「……何?」


 ガルフェロイにしてみれば、事実上の終戦宣言をした上での対話の申し出。

 彼は最大限の譲歩をした格好だ。


 ここで交渉決裂となれば、全てなかった事にされかねない。

 ギルド員30名が見ているのだから、ガルフェロイもこれ以上は下手に出る事は出来ない。


「それでは信頼関係を築き上げる事など到底できぬが……」


「貴方の、貴方達の為を思っての事です」


 それをわかった上でマルテは答え、フェーダの足下で倒れている男の身体に目を向けた。

 フェーダが仲間割れの末に倒した、聖輦軍所属の刺客。

 この場にいる誰もが彼をそう見なしていたが――――


「この城の噂、知らない訳じゃないでしょう?」


 謎の火の玉や発光体――――


 ガルフェロイはその正体を知っている。

 フェーダから兄へ、そして兄から彼へと情報は渡っているのだから。


 だから、理解は早い。


 同じ聖輦軍所属の刺客同士、何故フェーダに軍配が上がったのか?

 彼に『助っ人』がいたからだとしたら、それは――――

 

「……いいだろう。ここは君の顔を立てようではないか。こちらも無駄に被害を出すつもりはないのでな」


 万が一、30名ものギルド員が見ている中で、小娘の操る未知の魔術――――勝手に動き回る魔術達に不覚を取ってしまったら?

 第五聖地特有の価値観で、彼への尊敬や信仰は露と消える。

 だが、ガルフェロイが"未熟なギルド員の為を思い"この場を収めるのは、彼の格を落とす事には繋がらない。


 ただし、それにはもう一つ条件が必要だった。


「では、停戦の証としてこれを上納させて頂きます」


 マルテは躊躇せず、測定器の木箱をガルフェロイに進呈した。

 希少価値の高いアイテムの譲渡は、この場を収める最後のピース。

 ガルフェロイの顔も立つ。


「ありがたく頂戴しよう。彼女は殺させぬし亡命もさせぬ。監視……いや、見守らせて貰うとしよう。それで良いのだな?」


「はい。ぜひ活用して下さい」


 測定器が本物かどうか、この場でガルフェロイに確認する術はない。

 だが、彼は理解していた。

 マルテの提示した情報や言葉の端々が、真実である事を示していると。

 

 そして、この試作品を本物だと判断した以上、マルテという人物が平民でない事もまた、想像に難くない。

 隻腕の少年という特徴もあり、ガルフェロイはマルテの素性をほぼ完全に把握した。

 彼を敵に回したら、どれだけ厄介な事になるかも。


 ただ、それらはあくまで副次的な理由に過ぎない。


 彼が停戦に応じた最大の理由は――――


「まさか、この年齢になって生き甲斐を得ようとは……感謝せねばなるまいな。危うく見落とすところだった」


「調査対象を苛めたりはしませんよね?」


「私めは"それ"があったから今日まで人生を謳歌できた。調査対象への敬意を欠くほど老いさらばえてはおらぬよ」


 信用に足る言葉を残し、ガルフェロイは一足先に城を後にした。

 30名のギルド員達も慌てて後を追う。

 チャクは、最後にフェーダを一瞥し、その後彼らの方へ向かって走り去っていった。


 戦いは――――終わった。

 たった一滴の血を流す事もなく。


「……ったぁー!」


 敵がいなくなったのを確認し、充実感と開放感に満たされた声を上げ、マルテはその場に倒れ込む。

 一世一代の大仕事を成し遂げたかのような疲労に包まれていたが、倦怠感など一切なかった。


「焦ったぁ……本当に30人も来た時は心臓止まるかって思ったよ。フェーダが足止めしてくれなかったら詰んでたね」


「だが俺だけだったらガルフェロイが現れた時点で詰んでいたな」


「そう?」


「相手の望むものを察知し、それを与える代わりに手を引かせたか。お前は平和の象徴のような人間だな」


 少し呆れ気味に、しかし心底本音といった声でそう漏らし、フェーダが手を差し伸べる。


 ただし――――マルテではなく、自分の足下に倒れていた聖輦軍の同僚に向かって。



「ありがとう。もう大丈夫だ。助かった」


「む、終わったか。しかし見事なまでの戦争回避。我いたく感服する所存」


 フェーダが話しかけた途端、髭面のその男は何事もなかったかのように起き上がり、マルテに握手を求めた。


「薄汚れた職種なれど、か弱き女性をいたぶる真似は二度とせぬと誓った身。気の進まぬ仕事をせずに済んだ事、深く感謝致す」


「は、はあ……」


「では失敬」


 髭面の男は表情一つ変えず、そのまま去って行った。

 元々は第二聖地ウェンブリーの所属だったが、失態を演じた事で仲間共々左遷され、現在はこの第五聖地アンフィールド勤務となっている。

 尤も、その経歴も含め、マルテの人生にはほんの少ししか接点のない人物だった。


「なんか……ちょっとだけフェーダに似てるね」


「だから以前言っただろう。自分と少し似ている友人がいると」


「あれ、嘘じゃなかったんだ……」


 確かに、フェーダの後釜としてフェアウェルの始末を任されたのもフェーダの言葉通り。

 あの件に関しては、彼は一切誇張していなかった。


「にしても、フェーダ。やっぱり僕が睨んだ通り、演技上手かったね。聖輦軍なんて辞めて役者で稼げば?」


「後半は全く演技どころではなかったのだがな。兄者までいるなど聞いていないぞ」


「僕も全然予想してなかったし……やっぱり、アウロスのお兄さんみたいに完璧には出来ないね」



 マルテが信じていた通り、フェーダは戻って来た。


 ただし、作戦会議中に。



 彼はマルテ達に全てを話し、謝罪した。


 探していたのは城の権利書ではなく、この建物が元々研究所で、自分達の祖先の物だった証拠。

 勿論、祖先の名前が入った権利書が見つかれば最良ではあったが、公式な書面ではなくとも、例えば城壁に祖先の名が刻まれているだけでも十分だった。


 その上で、聖輦軍の立場を利用し自律魔術の存在を確認しに来た事。

 実際に自律魔術を使うフェアウェルに複雑な心境を抱いていた事。

 妹がいて、自分の所為で現在は隣国のエチェベリアにいる事――――など、洗い浚い打ち明けた。


 尤も、最初から嘘をついていると見なした上で接していたマルテにとっては、どうという事はなかった。

 ただし、妹の姿を重ねていたと言われた姫君はあまりの気持ち悪さに激昂し、彼の顔にかなりの傷を負わせる一幕があったりもしたが。


 そしてその後、城がランプに囲まれている光景に戸惑っていた髭面の男をフェーダが呼び止めた。

 幸いにもフェーダの友人だった為、『ギルド勢に手を引かせる』という条件を前提に、協力を要請。

 かつてリリルラの"仕事"に身を竦ませたマルテが、その経験から咄嗟に思い付いた偽装殺人によって、ギルド員30名の足止めを成し遂げた。


『謎の光の鳥』と『殺人現場』。

 この二つの要素があったからこそ、フェーダ一人で数の暴力による突入を防ぐ事が出来た。


「フェーダ。まだこの城を取り戻す気?」


 マルテは睨むようにして問いかける。

 フェーダも鋭い目付きで返し、二人は暫く睨み合い――――


「……生憎、城の募集はしていない。欲しかったのは研究所だ。権利書も見つからなかったしな」


 結論が下された。

 マルテはその返答に、安堵したような笑顔を浮かべ、それを見たフェーダも口元を緩めた。


 この瞬間、二人はようやく友人となった。



「あ。敵がいなくなってる。主、終わったみたい。あいつが上手くやりやがった」



 階段を降りて来たリリルラが、憎まれ口のような言葉で状況を上に伝えている。

 彼女は万が一の事を考え、姫君の護衛を担っていた。

 いざとなったらバルコニーから姫君を叩き落として逃がす、などと気楽に言っていたが――――


 マルテは知っている。

 彼女が死ぬ気だった事を。

 囮としてこの場に残り、主を逃がすつもりだったと。


 リリルラの顔はマルテの方からは見えなかったが、決死の覚悟から解き放たれた彼女の姿は、いつもより御機嫌に見えた。


「……」 


 リリルラに呼ばれ、姫君は階段を降りてくる。

 その足音は、かなり弱々しい。

 先程、バルコニーで勇ましい宣戦布告をした人物とは思えないほど、憔悴しきった顔だった。


「なんか、ずっと実感なくて……自分が殺されるかも、って思った事は何回もあったのに……それが今日になるってどうしても思えなくて……」


 声は明らかに震えている。

 今まで幾つか見せてきた、どの弱さとも違う――――本当の姫君の弱さが、そこにはあった。


「でも……リリルラと二人だけで二階にいて……あの大人数が下の階にいるって思ったら……段々怖くなって……」


「ずっと泣きべそかいてた」


「リリルラ!」


 最早、主としての威厳を示そうとしても到底無理。

 力の入らない足で階段を降りていた時に無駄な力が入った為、バランスを崩してしまった。


「あ……」


 転倒しそうな体勢のまま前のめりに階段を駆け下りるも、とうとう足を踏み外し、そのまま――――


「危な……!」


 マルテの身体に飛び込んでしまった。


 細身で隻腕のマルテが咄嗟に支えられる筈もなく、二人はそのまま床に倒れ込む。

 辛うじて瞬間的に頭を上げ、後頭部の強打は免れたものの、マルテは背中を思い切り打ち付けてしまった。


 けれどそれは名誉の負傷。

 偶然とは言え、姫君を転落事故から救う事が出来た。


「……」


「……」


 その姫君の顔が、すぐ目の前にある。

 本当に至近距離。

 これまでの人生でマルテが味わった事のない、女性の吐息が顔にかかるという経験が、彼の理性を凄まじい勢いで奪ってくる。


 到底抗える筈も――――


「ある! あるから!」


 心中でそう叫び、意地でも理性を保とうと奮闘するマルテを、眼前の女性は――――



「……へ? マルテ……君……?」



 エデンは、目をぱちくりさせて見つめ、やがて――――



「私の! 心が!! 大!!! 爆!!!! 破!!!!!」


 

 マルテの反論など一切許さない勢いで、数多の爆発音が生み出された。


 無数のランプの炎とその轟音によって、あたかも城が大炎上しているかのように見え、しかし翌日には何事もなかったかのように城は健在だった為、一部のアンフィールド住民の間で『幽霊が棲む城じゃなく城自体が幽霊だった』と噂されたりもしたが――――




 それはまた、別の話。



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本編『ロスト=ストーリーは斯く綴れり』および同一世界観の別作品『"αμαρτια" -アマルティア-』も掲載中です!
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[一言] 抱けっ!!抱けーっ!抱けぇっ!!
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