表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/30

8話

 その後は、別に大したトラブルもなく買い物を終えることが出来た二人。移動する際も、買い物の際も常に離れないように警戒し、万が一トイレに行きたくなっても、麗羅はトイレに避難することによって男たちを回避。


 三時間もそれをしてたおかげが、男たちも潔く諦めた模様。それに二人はとりあえず胸をなで下ろした。


「今日はありがとうございました、高木さん」


「本当に気にしなくても大丈夫だよ。琴吹さんの役に立てたなら俺も嬉しいし」


 京介がしたことと言えば、護衛と荷物持ちと、どっちの服がいいかということを聞かれた時に真剣悩んだだけ。本人は本当にお礼を言われる筋合いはないと思っている。


「それでも、私はお礼を言いたいんです。私一人だけだったら、もっと時間がかかってたと思いますし……」


 と、麗羅は苦笑いをして、そこからどれだけ撒くのが大変だったのか想像する京介。


 マンションに二人で入り、今度は同じエレベーターに乗り移動。そして、お互いの部屋の前へ着いた。


「それでは高木さん。今日はありがとうございました。楽しかったです」


「俺も楽しかった。それと、男避けの際は遠慮なく頼って欲しい」


 柄でもないなぁと思いながら麗羅に言葉を投げる。それを聞いた麗羅は満面の笑みになってーーー


「はい。またよろしくお願いします」


 と言って、部屋へ消えていった。


 一目見た時は、きっと関わることなんてなかったと、そう思っていたが……。


(奇妙な縁ができたな…人生、何が起きるか分からんね)


 と、京介もまた、部屋に消えていった。


 一方その頃、一足先に部屋へ入った麗羅だがーーーー


(……うー……うー!?私、大丈夫だったよね!?顔最後まで赤くなかったよね!?)


 ガンッ!と背中を壁にぶつけ、ズルズルと滑り落ちていく麗羅。その顔はどこを見ても赤いままだ。


(急に手を握ってくるとか……あとあと!笑顔とか!反則だよあれ……)


「……うぅ……きょーくん……」


 赤くなっている顔を両手で隠しながら、呟く麗羅。


 果たして、きょーくんとは一体誰なのか。なせわ、そんなにも顔を赤くしているのか。


 その答えは、麗羅のみ知る………。





「………やっぱ琴吹さんの作ったカレーうめぇ……」


 引っ越して二日目の夜ご飯。麗羅が作ってくれたどことなく親が作ったカレーに舌鼓を打っているとこ、ピロリンと端に置いていたスマホが振動する。


 行儀悪いと思いながらも、スマホの電源を入れて見ると、麗羅からのメッセージが一件。


 麗羅『カレー……どうでしたか?』


「…………マジで聞いてきたな。とりあえず、めちゃくちゃ美味しい……と」


 京介『めちゃくちゃ美味しい。文句なしの1品だ』


 麗羅『はい!ありがとうございます!』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ