3話
麗羅からカレーをありがたく頂いた京介は、少し温め直してからカレーを頂くことに。
レンジでチンできるサ〇ウのごはんを取り出し、しばらくチン。その間にカレーことこと面倒見ながら、皿を出してからご飯を移す。
温まったカレーをそのご飯の上によそいでから完成。
クンクン、と鼻を揺らし、匂いだけで「あ、これ絶対にうまい」と感じてしまうほどにいい匂いがする。京介は、まるで初めて遠足に出かけた一年生が、お弁当に箸を伸ばすかのようにプルプルと腕を震えさせながら、スプーンを沈め、そのままの勢いでパクリ。
「……うっまぁ……」
ほぉぉぉ……と思わず息が出てしまうほどの一品。一口、二口とガツガツ食べ始め、止まらなくなる。
(……あれ、なんかこれ……)
ここで、食べ始めて気づいた。
(なんだか、母さんのカレーにそっくりだ……)
京介が食べたカレーは、彼の母親の作るカレーと味が酷似していた。
次の日、高校入学式まで、あと二日はあるので、まだまだゆっくりできる時間。一応、入学課題なるものがあるのだが、早く終わらせて楽したかったため、既に終わっている。
「ふわぁ……」
朝の九時。目覚めるには少し遅い時間帯に目が覚めた京介は、酷く懐かしい夢を見た。
(……久しぶりに見たな、あの夢……)
突然だが、京介はとある事件のせいで五歳前からの記憶を失っている。当時はそれでかなり苦労したようだが、どうせ小さい時の記憶なんて殆ど忘れるものばっかりだろというポジティブ思考でなんとなっている。
だがしかし、記憶喪失だと言われても、忘れていないことがただ一つ。
(……顔も名前も分からない、ただ一人の少女と遊んだ夢)
母に似ているカレーを食べたせいか、随分と懐かしい記憶を刺激され、なにやら神妙な気持ちになった京介。元気にしてんのかな、と届かないことを思いながらベットから降りて、着替えを始めた。
朝ごはんはガッツリ食べた方がいい。とどこかで聞いたことがあるようなないようなことをボーッと思いながら、昨日麗羅に貰ったカレーを温める。まぁ、京介は朝は少食なため、そんなこと思い出しても意味が無いのだが。
サ〇ウのごはんを出して、あらかじめ半分に分けてからレンジに入れてチンして、カレーを頂いた。
寝起きで、ゆっくりと食べて、歯磨きをしていて、顔を洗ったら、なんとまたもや家のインターホンがなった。
眉をひそめて、時間を確認する。時計の針は、10時をちょっと回ったばかり。
さて、ここで京介の知り合いは、今のところ隣に住んでいる麗羅のみ。しかし、京介は麗羅がこの時間帯に京介の家を訪れる様な用事はないとの事で除外。となると、また宗教か……と思いながら、うがいをした。
「…っ、はいはい」
二回目のインターホンが鳴ったので、少し駆け足で玄関へと移動した。
催促をしているので、覗き窓なんて覗いてる暇ねぇ!とでも言うように、ドアの取っ手を掴んで、宗教の勧誘を断る準備は万全だ。
すいません、宗教なんて興味無いです。しつこいなら警察呼びます。
よし、完璧と一瞬のうちにシュミレーションを開始して、いざ!
「すいません、宗教とか興味無ーーーー」
「おはようございます、高木さん」
ぱちくり。
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