23話
「済まない三人とも。待たせたな」
その後も、適当に話をしていること数分、ようやく花果がやってきたので、学校に移動する。
投稿の際、入学式初日にて、とんでもない美少女がいた住宅街を通っているとーーー
「うぅ……みぃくん、大丈夫かなぁ……」
と、なにやら傘を持ってオロオロしているあの時の美少女がいた。言わずもがな、過去作最強ヒロインのメリィの登場である。
「あ、入学式初日の超絶美少女さん……何やってるのかな……」
と、野次馬根性たくましい空がひょこっと覗き見る。確か、今日のお天気お姉さんの予報では、午後から雨が降るらしい。
誰もが羨むほどの美貌を誇るメリィ。キョロキョロと困った彼女は、京介達の一団を見つけ、愛する彼と同じ制服を着ていたので、一気にパァ!と顔を輝かせた。
「あ、あの!もし良ければこの傘をみぃくーーーえと、旦那様に届けてくれませんか?」
「………旦那様?」
違う。違うんだメリィ。みぃくんと言っても通じないとは思っただろうが、旦那様ではもっと通じない。
「ほら、高木くん。入学式の時にちょろっと説明したでしょ?あのレジェンドメイドの早川先輩だよ」
「………あぁ、なるほど。思い出した」
「れ、レジェンドメイド………?みぃくん学校ではそう言われてるの……?」
愛する旦那が、まさかメイドで知られているとは思わない嫁。眉を寄せた。しかし、直ぐにブンブンと頭を振り、傘を京介達に差し出した。
「と、とりあえず!みぃくんに傘、宜しくお願いします!」
「……まぁ、同じ学校ですし、分かりました。みぃさんにはしっかりと渡しますので」
と、代表して京介が受け取った。
「ありがとうございます!今度、みぃくんと一緒に家にいらしてください!待ってます!」
「まぁ、予定が合えば」
と、会釈してから立ち去った4人。その中で、一人だけなにやら顎に手を当てて考え事をしている人が。
「どうした?花果。さっきから複雑な顔して」
「いや………なんか見たことがあるような気がして……」
どこかの記憶に引っ掛かったのか、むぅ?と首を捻る花果。
「あんな美少女、会ったことあるなら忘れないと思うんだけど………んー……何か、姉さん関係で見たことがあるような………」
「……姉さん?」
「空さん、花果さんはいま話題の敏腕社長代理の木更津花奈美さんの妹さんなんですよ?」
「嘘っ!初めて知った!」
と、空にとっての衝撃の事実が判明したところで、ポン!と思いだしかのように手を叩いた。
「思い出した。あの人、姉さんの秘書をやってる人だ」
「「「……………え?」」」




