17話
長月高校に入学し、一週間がたった。もはや京介、空、麗羅、花果の四人組は既に一括りとしてクラスの中でも認識されており、中には、長月三大美女プラスアルファと呼ばれるようになった。もちろん、プラスアルファは京介のことである。
一週間も経ち、授業も本格的になり色々な授業が増えていく。一発目の授業から体育という、面倒くさいこと極まれないなと思いながら、適当に選択したバドミントン。
壁の端っこで、ラケットを持ってボーッとしていると、隣に誰か座ってきた。
「よぉ色男。お隣いいか?」
「………色男?」
京介が許可する前によっこらせと言い、座ってくる男を見つめる。
茶髪で、ワックスで髪を逆立てており、普通にイケメンと言われる部類の男だった。
「俺の名前は須藤晃だ。よろしくな、色男」
「……色男はやめろ。高木京介だ。好きに呼べ」
「それじゃ、色おとーーーー」
「色男以外に決まってんだろ」
「あでっ」
ポコン、とラケットの角っちょで叩く京介。晃と名乗った青年は、わざとらしく叩かれた部分を撫でる。
「それで、何の用だ?」
「んにゃ別に。ただ興味があって京介に近づいてみた」
「興味?」
一体何かこいつの興味でも引くようなことしたっけ?と思いながらここ1週間記憶を遡ってみるが、特に何も無かった。
「おいおい、今となってはあのいけ好かんクソイケメンと並んで、京介達四人は注目の的だぜ?」
と、京介の肩に手を回し、にやにやする晃。距離が近いなこいつと思いつつ、軽くあしらう。
「クソイケメン……は言わないでも分かるが……なんで俺たち四人が注目の的なんだよ」
「そりゃあおめぇ、元気っ子でカワイイ系の赤井さんに、超絶大和撫子の木更津さんに、女神の琴吹さんの、長月三大美女を常に侍らせてるお前は誰なんだよという話ですぜ兄弟」
「兄弟じゃねぇ。距離を詰めすぎだ馬鹿」
頬に手をやり、押しやる京介。
「別に、たまたま縁があったってだけだ。何者とか言われても普通の高校生としかいいようがない」
麗羅とは同じマンションで、部屋がお隣。空とはたまたま出かけた先で出会い、花果とは席がたまたま隣だっただけ。
約一名ほど狙ってるのはいるが、これを縁と言わずになんというのだろうか。
「だから別にーーーどうしても女子とお近付きになりたいからって俺に聞いても無駄だぞ」
「………へぇ、流石にバレてたか」
「露骨すぎだろ。逆に隠す気あったか?」
「んにゃ別に……あ、でもでも!京介と仲良くなりたい気持ちは本物だぜ!」
「それも知ってる」
だから、ウザ絡みしても突き放すなんてことはしなかった。
「あの三人と仲良くしたいなら、邪な気持ちを持たないで接することをオススメする。みんなそういうの大嫌いだから」
「………え?それ何気に難しくない?」
「難しくない。実際俺は、あの三人のことは純粋な友達という感じで見れてる」
多少ドキッ、とすることはあるが(主に麗羅のせい)それだけだ。下心なんてものは無い。
「第一ステップは、煩悩を捨てされだ」
「無理無理無理。男子高校生だもん。無理無理」
「行けるって。寺修行にでも行ってくれば?




