表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/30

11話

 レジェンドメイドなる謎の先輩との邂逅(顔みただけ)から数十分。一同はようやく長月高校に辿り着いた。


 正門入口には、『長月高校入学式』と煌びやかに装飾してある立札が立ってあった。


「あ、あそこじゃない?クラス表の紙」


「ん?」


 空が指さした先には、壁に張り紙貼られてあり、そこには少し生徒が集まっていた。まだまだ入学式が始まるまで時間があるので、いる人数も少人数である。


「あぁ、多分あれだな」


「私、見てくる!」


「あ、空さん!?」


 ビューン!と効果音が付きそうなほどに走り去っていく空。その後ろ姿を見て、元気はつらつだなぁと思った京介。麗羅の方を向くと、たまたま視線があったので、二人して苦笑いをしてから空の後を追った。


「あった?」


「いや~……まだ見つけれられない……」


 むむむ、と言いながら手を額に当てて目を細める空。既に一組の方は見終わったのか、既に二組の方へ移動していた。


(それなら、俺は反対側から見るか)


 と、空から少し離れ、五組の方から見ていくことに。麗羅も一瞬で空と京介を見て、どちらに行くかと悩んだが、結果的に京介の後を追った。


 1クラス40人の計五クラス。今年の倍率が10倍だったので、受験志望者は2000人はいた事になる。恐るべし、レジェンドメイド。


「………あ、赤井さんいた」


 空の名字はあから始まるため、比較的簡単に発見できた。


「ほんと?……あ、いたね」


 ススス、と寄ってきた空のために半ぽズレてから場所を開けた京介。それに気づいた空が笑顔で「アリガト」と言った。


「あ、麗羅ちゃん発見……あ、高木くんもいたよ!」


「お、てことは奇跡的に全員同じクラスか」


 どういう因果か、偶然にも全員同じクラス。


「一年間、これからもよろしくね、高木くん、麗羅ちゃん」


「はい、よろしくお願いします」


「まぁ、ボチボチよろしく」


 空がペシッとなんでやねんと突っ込んだ。


 上級生から校舎に入る時には、造花に安全ピンの着いたものを付けてもらい、空、麗羅が横に並び、二歩後ろくらいに京介が歩いて着いていく。二人の会話をBGMに、京介はどうやって友達を作ろうかと考えていた。


(共通の趣味……とは言っても、俺は中学の時に少し卓球部にいたくらいだしな。運動の話は無理だし、後は趣味のゲームくらいしかないのだが……)


 卓球の方は、諸事情により三ヶ月で辞めることになり、趣味のゲームというのも、モン○ンとかの大衆に知られているものじゃなくて、ゴッ○イーターとかテイ○ズシリーズの、その界隈では人気はあるものの、一般にはあまり知られていない系のやつをやっている。


(ラタトスクの○士……好きなんだけどなぁ……あまりテイ○ズ知ってる人少ないんだよなぁ……中学の時とか一人しか知らなかったし)


「あ、ここだね」


 物思いに老けること数十秒。空の言葉で現実に戻ってきた京介は、ちらりと視線を上に向ける。そこには、『1ー5』としっかり書かれた札があった。


 ガラガラと空が扉を開け後ろからひょっこりと教室を覗き、中を覗く。


 まだ6人しか来ておらず、中はシーンとしていた。しかも、そのうちの半分は腕を枕にして熟睡していた。


(……え?なんのために早く学校に来たの?)


 と、寝ている奴を見ながら、空達の後ろを着いていきながら、席順を見た。


(俺の席……げ、隣のやつ熟睡してんじゃんかよ)


 席的には後ろなのだが、如何せん、その隣が腕を枕にして寝ていた人物だった。


(女子か………名前は……木更津?どっかで聞いたことあるような………)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ