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異世界冒険記 ツワモノどものファンタジア  作者: マサオカ
第六話 バック・トゥ・リベンジ
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因縁

ドスン!


 何も無い空間からデカいリュックが現れ、砂の上に落ちた。

 この世界の住人なら誰でも使える便利機能”アイテムボックス”である。レベルなどによって収容量に差は有るものの、異次元に持ち物をしまって置けるため、冒険者などは手ぶらで旅をする事が出来るのだ。

 そしてセージはこの手の機能を、全く使えない。このリュックも一か月以上前の最初の冒険の時に用意して、リーゼがしまって、それっきり忘れていた物だった。

 それでは今、セージのアイテムボックスからリュックを取り出したのは?と、言うと。セージの魔石だった。この、セージの所有物扱いの魔石はセージのステータス画面の幾つかを操作して収納されている物を出す事が出来るのだ。

「ど~です私。役立つ!。」

「お~すごいぞ」

 セージは小さく拍手しながら言った。

 リュックを開けると、セージは必要な物を取り出し始める。砂漠の日差しは強い。何か布で日を遮る必要がある。


 することは決まった。

 現在地から東西に二つあるポイント、そこにはダンジョンが有り、そのどちらかに無くした”虚空の杖”が落ちているはずなのだ。

 この杖を狙っている連中がいる以上、のんびり片方ずつ回る訳にもいかない。故に二手に分かれる事になった。

「じゃあ班分けだが…、えっと、クーノお前は静といっしょに行け。いいな?(シズ)

 シズはコクンと頷いた。

「え?」

 セージは当然、シズと組むだろうと思っていたクーノは驚いた。

「い、いいのか?」

 だから思わず聞き返した。

「いいも何も、静に二人も任せるわけにもいかないだろう」

 子供を預ける感覚だった。


 シズも荷物を出して準備を進める。

 そんな中、クーノは一人ソワソワしていた。シズと一緒に行動できるのはうれしいが、今回は周りに頼れる仲間は居ない。自分の失敗でシズに危険が及ぶかもしれない、そして旅の先に待っているのは、あの怪物を超えた化け物達…。

 不安しかなかった…。


 それに気づいたのかイクスが、

「どうした?不安か?」

「イクスは不安じゃないのか?俺達だけで砂漠を超えてダンジョンに向かわなければならないのに…!」

 イクスはフッと笑うと、クーノの肩に手を置き、

「何、言ってんだよ。俺たちは何だ?この先に誰も体験した事の無い道の冒険が待ってるんだぜ!   

 ワクワクしないか?」

 クーノはハッとした。そうだ、自分はそんな冒険を求めて冒険者になったんだと、二人は遥か彼方を見つめ、これから始まる冒険に思いを寄せた。

「お~いお前ら~。準備は出来たのか~?」

 空気を読んでか読まないでか、セージが声をかけてきた。

「え~と、いくすだっけ?準備は出来たのか?何か日よけになる物は?」

「これで大丈夫だ」

 イクスは今着ているローブの首についてるパーカーをかぶって言った。一応日除けにはなる、が、色が黒いのが心配だがまあいいだろう。

「水は?」

 セージは最も大事なことを聞いた。

 オリエンスの街のトップパーティ”銀の鷹団”は、もちろんトップというだけあって、冒険の前にパーティの荷物として任された分とは別に、もし何かあった時のためにそれぞれ個人用に最低限の装備を用意しておくように言われたのだが、イクスは半分も用意していなかった。

「コレもってけ」

 セージはリュックの中から皮の水筒を見つけるとイクスに手渡した。

「よし、行くか!」

 セージは当たり前のように、その()()()()()()()を背負いながら言った。

『あ~あ~!そのリュックは私が仕舞いますからぁ~』

 魔石が慌てて止めた。

「それじゃぁ誠司(セイジ)、ちゃんとその子の面倒見なさいよ」

 フードを被り準備を終えたシズが、セージの前まで来た。肩には白竜の”シロ”が乗っている。

「そっちこそ」

 二人は軽くこぶしを合わせた。



 そこから更に数百キロほど離れた砂漠にガイロウ・ヴォルフ・ボアの3人(?)は飛ばされて居た。

「くそっ!何処だここは!」

「どうやら南のザルード砂漠らしいですぜ大将」

 ステータスのマップを見ながらヴォルフが言う。ガイロウはいら立ったまま

「おい!ダストいるんだろ!」


 すると、突然何も無い空間に浮かび上がった闇の中から漆黒のローブ姿に右手に水晶のドクロを持った、ダストがさも当然のように現れた。

「どうせ見ていたんだろ、奴は何処へ行った!?」

『虚空の杖ハ、ドウシタ?』

「杖などどうでもいい!!奴だ!()()()が居たんだよ!

 あいつが!時間も!空間も!超えて俺を殺しに来たんだよ!!」

 歓喜と狂気に満ちた表情でガイロウが言う。まるで憧れの誰かに会った様に…。

『使命ヲ果タセ』

 ぐもった、ドスの聞いた声でダストが淡々と話す。興奮状態だったガイロウも徐々に落ち着く、

「ちっ、わかったよ」

 ダストは右手のドクロを掲げると、ホログラムの地図が浮かび上がった。点滅した点が二つ左右に離れて行っている様に見える。

「この点が奴らか?二手に分かれたのか?なぜだ?何処に向かっている?」

『ヒトツハ遺跡ノ街”ザイア”モウヒトツハ”カルド遺跡”』

「なぜダンジョンに向かっている?しかも二手に分かれて…」

『虚空ノ杖ハダンジョンコアに引キ寄セラレル特性ガアル』

「なるほど、奴らも杖を無くしたな。それで大慌てでダンジョンへ…」

 ガイロウは全て合点が行った様で、ニヤリと笑うと


「つまりは確率二分の一だ。待ってろよセイジ!」


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