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異世界冒険記 ツワモノどものファンタジア  作者: マサオカ
第六話 バック・トゥ・リベンジ
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伝説

ゴゴゴゴゴゴゴ…。地面が揺れる。


 地震では無い。目の前の大岩が揺れているのだ。やがて岩の全面に亀裂が走り、そして、亀裂がバラバラに割れたかと思うと、折り紙の様に折りたたまれ。それはやがて翼になり、腕が現れ、首が伸びた。


 黒い巨大な岩石は、黒いドラゴンへと姿を変えていた…。


 と、言ってもこの世界のモンスターは皆、硬質で命の無い動く鎧みたいな物だが、目の前のドラゴンは何処か生命力にあふれている気がした。

 ドラゴンがゆっくりと目を開ける…。


「な!何だお前達は!?」

 目を覚ましたドラゴンは寝起きざま思考がついて行かず、イキナリ立ち上がろうとして足がもつれ、後ろにひっくり返った!

「ドェックショイ!!」

 巨大な体が、足をバタバタさせながら周囲をゴロゴロ転がる!

 辺りは大混乱である。セージ達はひたすら逃げ惑う。

「魔族か!?魔王軍の手先か!?このガルファイア様のファイアブレスを!…くらえ!!」

 ドラゴンは火炎弾を出そうと大きく息を吸い込む…が、

「ぶぇくしょぃっ!!!!」

 大きくむせてクシャミをした!。吐き出そうとしていた火炎弾が散弾の様に辺りに散らばり、無差別に周囲を破壊する!

「うぁぁぁぁぁ!!」

 セージ達はこの無差別攻撃からひたすら逃げるしかなかった。



『お~~~~い…、黒龍様ぁ~~~。私で~~す。赤竜で~~す。』


 ガレキの影から魔石だけ出して呼びかけさせる。

 ひとしきり暴れて落ち着いた、黒龍”ガルファイア”はようやく瓦礫の隙間から出した手に握られている赤い魔石に気が付いた。

「ン……!?お前、赤竜の…?ずいぶん縮んだな」

 デカい顔のデカい目をじっと赤い魔石に近づけて黒龍がのぞき込む。

 セージ達はようやく瓦礫の下から顔を出した。


「なるほど、こいつらが…噂の勇者なのか?…。なんとも頼りない面々だのう~~」

 右から左へ、黒龍はセージ達やディラン達を見回しながら言った。

 セージは何故か大仏を見ている気分になった。

「おい、勇者って何の事?」

 セージが魔石に問いかける。そんな事は聞いていない。

「?ン?、魔王を倒すために旅をしている勇者一行を連れてこい、と言ったのだが…」

『私を倒したんですから強い勇者ですよ~~』

「・・・」

 セージは思った。何かおかしい…、話がかみ合っていない気がする。

「おい、さっきから話が見えんのだが」

「ワシはこいつに勇者を連れてこいと地上に送り出したのだが…」

「・・・」

 その場にいた全員、腕を組んで考え始める。

 ――勇者?誰の事だ?――

「それっていつの話だ?」

 さすがにファウナが口を出す。

「さぁ…、あれからしばらく眠っとたからのぉ~」

『ほんの二・三十年くらい前ですけど…、上の階までは遠いですし』

「それ結構前だろ!」

 長寿…と、言うか、人口生命体に近いドラゴンに時間概念は無かった。

「それ、前の勇者さんの事で、魔王も討伐されたはずですよ」

「え!?そうなの?」


リーゼの指摘でドラゴンの目的…、いきなり無くなったかも知れなかった。


「あ~~、まあいい…、ちと頼りないが…、勇者を呼ぼうとしたのは間違いを犯さないと思ったからだ。」

 ドラゴンはコホンと一呼吸し、

「聞けぇ~~!!若造どもよ!

 ――遥か昔、神話の時代。世界は異界から現れし闇の軍団との戦いによりかつてない危機に瀕していた!」

 なんか壮大な物語が始まった…。


 リーゼはアイテムボックスからポットを取り出し、並べたカップにお茶を注いでいく。

「我ら十二体のエンシェントドラゴンは選ばれし十二人の勇者と共に…!」

 ディックはダンジョンに入る前に買った揚げたポテトの袋を開けた。

 シズは持参したクッキーを取り出した。


「戦いは数百年続き、両陣営は疲弊し、世界は荒れた。すべての生命が絶望の淵に沈みかけたその時!」

 話はいよいよクライマックスだ。

 ディックは横になってすっかりくつろいでいる。ポテトをパリパリ食べながら話を聞いている。

 他の者も一同、床に座ってくつろいでいる。

「やがて敵を退けた後…、世界にはいくつものアーティファクトが残された」

 リーゼはウトウトしている。

 セージはあくびをかみ殺していた…。

「我ら残されたドラゴンたちは…、

 …って、


 聞いとんのか!!お前らぁ~~~!!!」


 ドォォォォォォン!!!

 黒龍は床を思いっ切り叩いた!

 セージ達は飛び上がった。

「真面目な話をしとると言うのに…!」

「あ~、でもその手の話はこの世界の住人なら大体知っていますよ」

 リーゼがフォローを入れるが、

「ここからが肝心な所じゃ!よいか!生き残ったドラゴンと人間は、奴らが残していった幾つものアーティファクトをダンジョンの奥へと封印した!奴らに利用されない為!いつか奴らが戻って来た時の切り札とするため!」

 ドラゴンが熱く語る。

「そしてこれが!!」


 セージ達が見上げる中、何も無い空間に一本のステッキが出現した!


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