ダンジョン散策2
ダンジョン地下三十三階、攻略の最前線…。
セージ達一行は…、いきなりピンチだった…。
まだモンスターとは一度も接触していない。
「迷った…」
ダンジョンの真ん中で迷子になっていた。
ダンジョン地下三十三階。と言っても、三層構造で一つの階を成していて、三層分の吹き抜けが有ったり、上や下へと立体的に迷路が繋がっているので、迷いやすく複雑だった。
「どうして迷子になるんですか!?私ちゃんと案内しるのに!」
セージのサークレットデバイスに張り付いた魔石からぎゃ~ぎゃ~声がする。
ここまでこの魔石のナビで来たのだが、なぜか目的地に着かなかった。それと言うのも…。
「お、これなんだ?」
ディックが通路の隅にあった怪しいレバーを迷わず引く。
ガコッ!!
床が何の前触れもなく開いた。
「わ~~~~!!!」
セージ達は下へと落ちて行った。
数分後…、
セージ達は地面にめり込んでいた。
「ぷはっ!死ぬかと思った!」
リーゼが飛び起きる。
「わたしはもっと楽な冒険をしたいんだがなぁ~」
ファウナが突っ伏しながら言った。ちなみにここに来てからまだ一度もモンスターと出合ってはいない。
「も~~!、何で罠だと言ってるのに踏み抜くんですかぁ~~!」
セージの持っている魔石がわめいている。ここまでこの良く喋る様になった魔石の案内で来たのだが…。
「お、これ何だ?」
ディックが壁に怪しいスイッチを見つけて駆け寄っていく。そして迷わず押そうとする。
ここまでディックがことごとく罠を引き当てるので前に進めなかった。
「だからそれは罠ですって!行ってるのに~~~!なんで押すんですか?~」
魔石がわめく。
「シュレーディンガーの猫って知ってるかい?」
「しゅれ…、なんだって?」
「エルヴィーン・シュレーディンガー博士が発表した思考実験で、
…例えば箱の中に生きた猫と毒ガスを入れたとする」
「意外と残酷だなぁ」
「さて、一時間後箱の中の猫はどうなっているでしょう?」
「…死んでる?」
「でも、生きているかもしれない。箱を開けない限り、猫が生きている確率と死んでいる確率は、半々という事になる。
つまり!このいかにも罠なスイッチも結果を見るまで、罠な確率とそうじゃない確率も半々という事になる」
「だから~~!百パーセント罠なんでですよ~~!」
魔石がわめくが、
「でも、せっかくだから」
ディックはとりあえずダンジョンは隅から隅まで確認していく主義だった。
迷わずスイッチを押す。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
何処からか濁流の様な水の音がした。
ダンジョン地下三十三階、攻略の最前線…。
クーノとレクスの二人はダンジョンの奥へと歩いていた。
クーノはモンスターが出ないかと、周囲を警戒しつつ恐る恐る…。
レクスはモンスターが出ないかと、周囲をワクワクしながら見回しながら…。
「みんなはまだ先かなぁ?」
まだ一度もモンスターとは接触していなかった。
みんなとは先に行ったディラン達精鋭メンバーの事である。クーノは勢いで出てきてしまったが、やはり心細く早く合流したかった。
「ん~、まだ先だろうけど…、このまま合流するのもなぁ~」
レクスとしては何か戦果を挙げてから合流したかった。
が、… ゴゴゴゴゴゴゴゴ…。
何か濁流の様な水の音がした。
「激流だ~~~!!」
一瞬にして二人は濁流にのまれていた。
数分後…、波が去った後。セージ達とクーノ達の溺死体がそこにあった。
「ぷはっ!死ぬかと思った~!」
リーゼが飛び起きた。
「どこだここは?…あれ?おまえら」
セージは倒れているクーノ達を見つけた。
「なんだ、お前らこんな所にいると危ないぞ」
「お前らが来たせいだろ!!」
クーノは飛び上がって抗議した。ちなみに、ここまでモンスターとは遭遇していない。
「何だ来ちゃったのか?ここはお前達だけじゃ危ないぜ」
確かにその通りなのだが、一番年下で、足手まといそうなディックに言われるとムカついた。
「まぁ来たものは仕方がない。連れていくか?」
「そんな事より、ファウさん見ませんか?見当たらないんですけど…」
クーノ達をどうしようか思案していると、リーゼが辺りを見回しながら駆け寄ってきた。
「はっ!?――まさか、どっかの排水口に詰まっているのでは…」
セージ達も周囲を探す。確かにあのサイズなら何処かに詰まっていてもおかしくない。
「お~いファウナ~」
「ファウさ~ん」
みんなが下を向いて排水管などを探す中…、ファウナは上の方の天井から突き出た梁に引っかかっていた。
「お前らなぁ~~~~」




