闇から来る者
この世の果ての、さらに遠い場所…。深い闇の中にそれは在った。
棺桶が在った…。いや、棺桶と言うにはあまりに物々しく、それはまるで冷凍カプセルの様にも見えた。
その棺が大きく開いた。中から大きな人影が上半身を起こす。
「ここは……?」
まるで野獣の様な目が周囲を確認する。
「目覚めたか…」
そばにいた黒騎士が言う。
「ヴァイスか…、俺はどれくらい寝ていた…?」
「二五年・二ケ月・一五日」
ヴァイスと呼ばれた黒騎士の後ろにいた黒フードが代わりに答えた。
「ダスト…、お前もいたのか」
男は棺桶からゆっくりと立ち上がる、その大きさは2メートルを超え、その姿は人とモンスターが入り混じった様な禍々しい姿だった。
「で…、俺に用があるんだろ?」
男は体をほぐしながら言う。ギシギシと金属をすり合わせるような音がする。
「無論だ、働いてもらうぞ”ガイロウ”」
ガイロウと呼ばれた大男はにやりと笑うと、ヴァイスに連れられ奥の部屋へと行く。
そこは半透明のカプセルがエイリアンの卵の様に、幾つも並んでいる部屋だった。カプセル一つ一つの中に人影が見える。
幾つかのカプセルが砕け、中から幾つもの人影が現れた。
それは体のほとんどを硬質な鎧が覆い、ウシやオオカミに似た頭部、人とモンスターが融合した怪物達だった。
「こいつらは?」
「人の精神を取り払った新しい、”クリーガー”だ。モンスターの知能で動いている」
「お~お~、かわいそうに心も要らねぇってか?」
それは捕まった異界人のなれの果てだった。
「あのお方の復活は近い、この世界に混沌を!」
「いいぜ、暴れて!暴れて!暴れまくってやるぜ!!」
「グォォォォォォ!!」
クリーガーと呼ばれた改造兵士達が雄たけびの様な咆哮を上げる!
何かが起こりつつあった…。




