狩人2
――――――― ケース 3 ――――――――
「初めまして、わたしユミ―。やっと会えたね。これからはずっと一緒だよ、お兄ちゃん♡」
・
・
・
「やぁったぁぁぁぁぁぞぉぉぉぉぉぉぉ!!ついに!SSRキャラ、ユミ―をゲットしたぞぉぉぉぉぉぉぉ――!!」
パチパチパチ…。
「おめでとー。良かったわねぇー―。そしてあなたの所持金もゼロよー」
そこには手を叩いているオネエ紳士がいた。
「なっなんだお前は!?」
お決まりのセリフと共に、男が後ずさりながら問う。
「私はねぇ…、あなたの様な社会に馴染めない異分子に居場所を提供する者…」
男がやっていたのはステータスウインドウの中の、通信欄の中に何故か存在した”どきどきシスタークエスト”なる、いわゆるソシャゲだった。
ここはオリエンスの街の何処にでも有る宿屋の一室。
ドォン!!
今窓を突き破って男が大通りに飛び出した。受け身も取れずに地面に転がり出る。
そして穴の開いた窓からすらりとした男が地面に降り立った。
「観念なさい、あなたにはもう逃げ場はないわ」
「う、うるさい!俺はこの世界で冒険者になってサクセスするんだ!」
お決まりのセリフを言いながら、懐から取り出したのは
「サークレットデバイス?」
「ふははははは、見たか!俺は慎重派だから道具の特性をすべて理解するまで待っていただけなのだ~~!」
男はサークレットデバイスを掲げると、
「武装!!」
異空間から現れた鎧が、瞬く間に体に装着される。
「どうだ!この力で俺は勇者にでもなれるんだ!」
意識が高揚している男に、オネエ紳士は静かに言う。
「いい事を教えてあげるわ。この世界で冒険者を夢見ている若者は数千から数万人いるわ。でもその中から実際に最初の一歩を踏み出す者は、たった数百人ほど、さらにその中から英雄と呼ばれる程のものになれる者は、数人いるかどうか…。だからね…、最初の一歩を踏み出せなかったあなたに未来は無いのよ」
オネエ紳士もまた、サークレットデバイスを取り出す。そしてさらに中央に赤い魔石もはめ込んだ。
「武装」
オネエ紳士の体に鎧が張り付き、さらに正面に赤と黒のマダラ模様の大きなトカゲ型モンスター、全身から生えたとげの先がメラメラと燃えている。
サラマンダーだ。
そのサラマンダーがオネエ紳士の体に巻き付くと全身に燃えるトゲを生やした異形の鎧騎士となった。
「な、何だ!?そんなの聞いて無いぞ!」
「だったら勉強不足ねえ、さあ、お仕置きの時間よ!




