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異世界冒険記 ツワモノどものファンタジア  作者: マサオカ
5.5話 変わる世界の合い間
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異世界の不思議 1

 ダンジョンの街オリエンス。入り組んだ道をディックはセージを連れて歩いていた。


「アニキ~こっちこっち、いいトコ連れってやるからさ~」

 半信半疑ながら、セージは迷いなく歩くディックの後をついて行った。

 やがて路地裏を抜けると、急ににぎやかな場所に出た。

 そこは表の繁華街とは違い、何もかもがごちゃ混ぜになったような不思議な通りだった。

 セージは、戦後の闇市を連想した。

「ここは何だ?」

「いいから、いいから」

 言われるがまま、雑多な建物の脇に下へと延びる階段を下りて行った。

「あれは?」

 突き当りの入り口に、現世では見慣れた、”のれん”の様な物がかかっていた。ディックは迷わず中に入ると、セージもそれに続いた。

「いらっしゃい」

 中には白い服を着た渋い板前さんがいた。二人はカウンターに座ると。

「俺はキツネ一つ」

「じゃあ俺も…」

 流されるまま同じものを頼むとやがて、目の前に白いどんぶりが置かれた。

 琥珀色のスープの中に白くて細い具、そして上に乗っている黄金色の…、

「うどんだ…」

 うどんだった、それもきつねうどん。

 食べてみると、腰のある麵と、ダシのしみた油揚げ、カツオとはちょっと違うが魚介の出汁のしみたつゆ。

「しょうゆ!?」

「店の裏手にあるのが醤油屋で、二軒隣が豆腐屋だよ」

 店主らしい板前さんが説明してくれた。

「え~~!?」

「そう、ここは質を問わなきゃ何でもそろう!この街のディープスポット。異界人街さ!」


 異界人といっても、オタクやゲーマーばかりでは無い。

 半分ほどは普通の人で、この世界で生前やりたかった事を実現させた者が殆どだった。しかもオタクやゲーマーよりも実行力が有るので、皆、夢をかなえていた。

 そんな人達が集まったのが異界人街だった。

「こちらの店主のゲンさんは生前、脱サラしたらうどん屋を開くのが夢だったそうだよ」

「お恥ずかしい」と店主が言う。冒険者稼業でお金をため、うどん打ちの修行をして、数年前にオープンしたそうだ。

「あんた、ネギここに置いとくよ」

 厨房の奥から、金髪で耳の長い奇麗なお姉さんが、切ったねぎの入ったざるを置いて行った。

「誰?…」

 セージが思わず聞いた。

「あっしの家内でさぁ」

 店主が照れながら言った。冒険者時代に知り合って、そのままゴールインしたそうだ。


「異世界、満喫してるね…」


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