路地裏
よかったですねぇ新しい刀が手に入って」
武器屋を出てリーゼがにこやかに言った。
「あ……、うん……」
セージは若干複雑な気持ちでうなずいた。
「それで、これからどうします?」
いつもの様にギルドまでの道を歩きながらリーゼが聞いてきた。
「そうだな……、ギルド行って新しい仕事を……」
「え~!何言ってるんですか!?この間のクエスト終わったばっかりなんですよ~!」
「だから次の仕事を」
「いいですかセージさん、冒険者は過酷なお仕事なんですよ。だから次の冒険に備えてちゃんと休むのも仕事!」
「な、なるほど…」
リーゼが珍しくマトモな事を言っている、セージは少し納得した。
「そうです!だから冒険の後は、パーっとお金を使いきるまで遊び惚け、そしてお金が無くなったら、また冒険してチョチョッと稼ぐ!そして遊ぶ!。これが正しい冒険者の姿です!。」
「いや!それ正しいダメ人間の姿だから!」
裏路地を大通りに向かって歩いて行くと、不自然な人だかりがあった。
「なんだ?」
人だかりの中を覗いてみると、そこには……。
死体だ…
路地裏とはいえ、大通りからさほど離れていない場所に、血だらけの死体が転がっていた。
「これは……」
戦後ならまだしも今日本でこんな光景に出会う事はまず無い、セージは、今更ながらここが異世界なんだと実感する。
「ありゃりゃ、死体ですねぇ」
「よくある事なのか?」
アッケラカンと言うリーゼに、セージが問う。
「さすがにダンジョン以外では珍しいですけど……」
リーゼのそんな話を聞きながら、セージは目の前の死体に若干の違和感を覚えた。
丸い傷口、溢れる血、セージは遠い昔に見覚えが有った。
「この傷は……」
「弾痕だよ」
突然声を掛けられ、上を見上げると、そこには、少し高い塀の上に腰かけた少年がいた。
「?」
「よっ!」
少年はひょいっと塀から飛び降りると、セージ達の前に着地した。
「弾痕、つまり鉄砲で撃たれた跡だってこと」
少年はもう一度、補足した。
「鉄砲…、ああ、異界人がたまに持ってくる奴ですね」
「異界人が?」
「ええ、でも魔法の方が使い勝手がいいからあまり流行らないんですよねぇ」
リーゼが簡単にこの世界の現状を説明した。
「でもたまに持ってくる奴がいる。子供でも人が殺せる銃を持って」
そういう少年は、半ズボンにだぶだぶのコート、見た目十二~三くらい、髪は金髪、恐らく異界人だろう…。
だがこの少年からは、神様に姿を変えてもらった他の異界人の様な造られた不自然さは無かった。
「おいらディックよろしくな」




