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異世界冒険記 ツワモノどものファンタジア  作者: マサオカ
第四話 ダンジョンの街のティータイム
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闇の来訪

シズたちに迫る魔の手…

「ちくしょう…、ちくしょう…」

 路地裏の片隅に、ひざを抱えながらサードは呟いていた。


 元の世界で彼はただの引きこもりだった。

 彼がハマっていたのはとあるバーチャルRPGだった。そのゲームの特徴の一つはキャラを細かく作り上げる事が出来る事だった、彼はいつしか究極の美形キャラを作ろうと思った。何日も何日も時間をかけ、お金をかけ、そして遂に満足の行くキャラが仕上がった。三人目なのでサードとなずけた。

 そして、いざプレイ……と思ったその時、

 雷が落ちた。

 プツンと全ての電源が落ち、停電になった。

 数十分後、電源が戻った時にはゲームのデータはすべて消えていた。数日の苦労と共に……。

「ふざけんなよ!!ふざけんなよ!!」

 湧き上がる怒りと共に暴れまくり、自分の部屋のあらゆるものに当たり散らし、物を壊し……、気が付くとこの世界にいた。

 そこは三回目のプレイをするはずだったゲームと同じようなファンタジー世界だった。街に入りウロウロしていると、周りからチラチラ見られていることに気が付いた。特に、若い女子から……。

 夜、宿屋で鏡を見た時気が付いた。自分の姿があのゲームで作り上げた美形キャラの姿になっている事を……。

「く、くくく……」

 笑いがこみ上げてきた、

 勝った!

 この姿と長年のゲーム知識があれば、この世界で頂点に立てる!そう思った。


 …だが、現実は甘くなかった、彼の計画は出だしで躓き、子供にまでなめられる始末……。

 こんなはずじゃ無かった。

「ちくしょう、ちくしょう」

 うずくまりながら同じ言葉を繰り返す。

 …彼の中からどす黒い物が溢れてくる。どんどんどんどん溢れてくる。

 やがてそのどす黒い物が重なり合い、あふれ出し、


 ――そしてそれは現れた――


 全身を鎧で覆い、手足は長く鋭く、顔はピエロの様な”それ”はそこに居た。

「おお~~、かわいそうなヒーロー、凄い力を持ちながら誰もあなたを見てくれない。」

 ピエロは芝居がかった動作でクルクルと回りながら、語り掛ける。

「さぁ貴方はこの世界では特別な存在、あなたの力はこんなものでは無いでしょう。立ちなさい、そしてあなたをバカにした全てにあなたの存在を見せつけなさい!富も!名声も!求めるもの全てはあなたの物に!」

 ピエロの手のひらに赤い魔石が怪しい光を放ちながら揺らめいていた。サードはその光に吸い寄せられるように立ち上がる。

 魔石がサードの額に張り付いた。

「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 体中に力がみなぎっていく!寝ぐせが自然に直っていく!ここ数日で崩れたイケメンフェイスがみるみる引き締まっていく!


 彼は理想の自分に生まれ変わった!。


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