プロローグ
新章始まります。まずは昔何処かの森での物語
深い森の中、夜も更け日付も変わる頃、岩山に空いた自然の洞窟を利用した盗賊のアジトがあった。
そのポッカリ空いた入り口から、とんがり帽子にマント姿の小柄な少女が、ぐるぐるに縛った盗賊のカシラを、少女とは思えない力で片手で引きずりながら現れた。
カシラをその辺に放り出すと辺りを見渡す。そこにはボロボロの少女が力尽きたように倒れていた。
あの後、盗賊団を全滅させた後に一応、あの倉庫に寄って見たのだが、すでにそこにはあの少女の姿は無く、それから辺りを気にしながら出口まで来たのだが……。
「まさか、本当にここまで来るとは……」
足元を見ると少女の足が不自然な方向に曲がっていた。おそらく逃げないように折られたのだろう。そんな体で洞窟の一番奥にあった倉庫からここまで這いずって来たのだろうか……。
とんがり帽子の少女は眉をひそめた、半分は冗談だったのだが、本当にここまで来るとは思っていなかったのだ。
少女は盗賊のカシラに向き直ると、
「さて、では私は約束通りにこの娘を助けなくてはいけなくなったのだが……」
少女は不気味な笑み浮かべながら言った。
「だが、困った事に私は神官の様な”無償の軌跡”と言うものは出来なくてな…」
カシラは縛られながら後ずさる……、悪い予感しかしなかった。
「だからさ……」
少女は杖を掲げる
「命には命だ」
杖から放たれた光が盗賊を覆う!
――エナジードレインーー
「ぐぁぁぁぁぁ~!!」
体から、魔力が!若さが!命までも奪われていく感覚が全身を襲う!
「こ、この力……、ま、まさか!?ヴァン…」
「おっと、あまり察しがいいと早死にするよ!」
とんがり帽子の少女が、少し力を込めると宙に浮いた盗賊のカシラの体がみるみる痩せ細っていく…。
数分か、数十秒後か…、盗賊のカシラは干からびたミイラの様になって横たわっていた。まだわずかに息はしている。
「少し余ったか……、まぁいい、残りの余生大事に生きる事だ」
杖の上には盗賊のカシラかから搾り取ったエナジーが丸い光の球となって揺らめいていた。
「さて…、」
少女は、ボロボロの少女へと向くと再び杖を掲げた。
――リザレクション!――




