即席のパーティ
セージ達のパーティに新たな仲間が
目的地の東の森に着いたのは昼前だった。
「なぁ、ここって?」
森を見上げながらセージが言う。
「そう言えばセージさんと初めて会った森ですね」
「よ~し、これからは各々数人のパーティを組んで森の捜索をしてもらうぞ~」
ギムレットが全員を集めて詳しい説明をする。作戦は単純だ、隊を細かく分けて一列に並べ、モンスターを掃討しつつダンジョンの入り口を探しつつ前進、合流地点を目指すと言うものだ。
最後に「大型のモンスターも確認されているから、充分気を付けるように」と付け加え、パーティタイムとなった。
「つまりどういう事だ?」
よくわからないセージがリーゼに聞くと、
「つまりですね」そう言ってリーゼが指さした方向では、他の冒険者が見守る中、十代くらいの少年剣士と、魔術師と思われる少女が向かい合っていた。
「今日俺とパーティを組んでください!」
少年は手を出す。少女は少し考えてから
「はい」と手を取った。
周りから、「おぉぉぉ!!」と歓声が上がる。
「まるで告白だな」
それを見ていたセージが素直な感想を言った。
「告白ですよ」
リーゼはあっさりと返した。
一大イベントの後は、それぞれ声を掛け合ってパーティを組んでいくようだった。
すでにセージはリーゼがいるので誰かを誘う必要も無いのだが、やる事が一つあった。
「ホントにやるんですか~」リーゼは不満そうだ。
「頼まれた以上やらない訳にはいかないだろう」
そう言ってあの異界人の所へ向かった。
彼はやはり一人で仲間を探すでもなく、木に寄りかかって孤高を気取っていた。
「よう兄さん、相手が居ないなら俺達と組まないか?」
銀髪の青年はクールにちらりとセージの方を見、固まった。
口をポカーンと開けている様に見える。セージは大体の事は分かった。
後ろでにっこりと上品にほほ笑むリーゼだ。黙っていれば、天使かお姫様にだって見える美貌である、大概の男子はだらしなく見惚れる。それで彼女は男を見定めているという事も、セージはだいたい理解していた。
「で、どうだい?」
「あ……、ああ、いいだろう」
慌てて口元を取り繕って答えたが後の祭りである。だがセージは気にする事も無く。
「じゃあよろしく頼む。俺は…」
「セージさんです」
「おい」セージが名乗る前にリーゼがつけた”あだ名”の方を言われてしまった。
「で、こっちがリーゼな」
次は青年の番である。待ってましたとばかりに親指を自分に差して。
「俺は、カトゥーだ!」
「……、加藤?」
「カトゥーだ……」
「か…、加藤さん」
「そうですよセージさん名前を間違えるなんて失礼ですよ」
「おまえがゆ~な!」
セージの名付け親がしれっと言った。
「よ~し、それぞれ分かれたな。出発!」
ギムレットの号令で、数人づつのパーティに分かれた若い冒険者達はそれぞれ数十メートルの間隔を開け出発した。
セージ達は、一番端から出発した。




