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異世界冒険記 ツワモノどものファンタジア  作者: マサオカ
第三話 爆炎の装鬼神
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馬車の中

何もする事が無い馬車の中、二人はとんでもない事を始める

カタカタと馬車が揺れる。

 目的地の東の森まで約半日、取り立ててする事も無く、となれば、することは一つしか無い。


「―――ほら……、そこです……」

 馬車の中に艶めかしい声が響く……

「あっだめ、そんなとこクリクリしちゃ!あっ!あっ!」

「おい」

「あっ、セージさんそんなとこ強くつまんじゃだめ……、あっあっ!そんな、はげしっ!!」

「おい!!」

「なんですか?セージさん♪」

 リーゼはケロリと言う。

「変な声出すな!周りが微妙な空気になっているだろうが!」

 揺れる馬車の中、セージはステータスウィンドゥの使い方をリーゼに習っていた。

 現在、馬車の中はセージ達の他、七名ほどの冒険者が乗っていたが、全員気まずそうな顔をしてこっちを見ていた。

「この方が萌えるでしょ♪」

「燃えるか!」訳が分からなかった……。

「ではおさらいで~す。」

 リーゼはセージの隣にぴったり寄り添って、何事も無く続けた。

「で、ここをこうすると地図が現れます。中央の丸い球がセージさん、隣が私です登録してあるパーティの仲間がどこにいるのか確認できま~す」

「んで、こう指でくぱ~と広げると地図を広げられます」

「くぱ~じゃない」

「ほら、二つ点から遠ざかっているのがファウさんですね」

「ファウナか……、そう言えばお前らって不思議な関係だよな」

 セージはふと思った疑問を口にした。

「私とファウさんですか?」

「姉妹とも幼馴染とも違う気がする。一体いつからの付き合いなんだ?」

「そうですねぇ……、だいたい()()くらいでしょうか」

「十年!?」セージの頭の中には赤ん坊のファウナを抱いているリーゼの姿が思い浮かんだ。

「私、十年以前の記憶が無いんですよ。まぁ、物心つく前だから覚えて無くても当たり前なんですが……、親の顔とか住んでいた所とか」

 リーゼは話を続ける。

「あの時私は、盗賊に捕まっていて暗い部屋に閉じ込められ、何日も食べ物も与えられず死にかけていました……。で、その時助けてくれたのがファウさんというわけです」

「重い話を軽々と……、つまり、その、なんだ」

「はい、そうなんです」


――「ファウさん、あれから一ミリも身長伸びていないんです」――


「ふぇっくしょん!!」

 オリエンスの街でファウナのくしゃみが響いた。

「風邪?」

 隣にいたメイド服姿のシズが聞いてきた。

 ここは”りんご亭”シズの働いている店である。

「きっとリーゼだな」

「今日は一緒じゃないんですね」

「あの二人は初心者用のクェストに出かけたよ。たまには子守りから解放されて、おとなな私は一人でお茶なのだ」

 リーゼは椅子に腰かけたまま足をプラプラさせながら言った。いつものマントととんがり帽子は前の椅子に掛けているので、白いブラウスとギャザーのスカートを身に着けたファウナは見た目通りの少女にしか見えなかった。

「お待たせしました。パンケーキセット生クリームのせです」

 別のウェイトレスが豪華なパンケーキをテーブルに置いた。

「おお~ぅ!♪」

 フォークとナイフを持ったファウナは今日一番の笑顔で出迎えた。


「大人……ねぇ」


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