天空決戦
飛竜対決、決戦です
セージに呼ばれたシズは、スッと立ち上がると、クーノに
「クーノ君、まぁ確かにあいつはバカだけどね、限界を超えた先に本当の強さがあるものなのよ」
そう言うとシズはセージの隣に並んだ。
「ファウナ湖の手前辺りに頼む」
「任せろ、う~んと長くてカッコイイ呪文を見せてやろう」
「み・じ・か・く頼む」
「え~~」
「静、行くぞ!」
そう言うと二人は同時に駆け出した!
ファウナはパチンと左指を鳴らすと、手の上に分厚いハードカバーの本が出現した。ホログラムの様な本は手の上で自動でパラパラと捲れて行った。
そこに書かれているのは魔法を高速詠唱するため、ファウナが創った長い呪文、つまり”漆黒の魔王”とか、”闇よりい出し紅蓮のナントか”とか恥ずかしいワードがいっぱい書かれた、つまり中二病ノートだった。
やがて一枚のページを引き抜くと、ファウナは杖を当てて叫んだ。
「ストリング!」
走っているセージ達の目の前に、地面からドラゴンへと向かって鎖が飛び出した!
二人はそのまま鎖の上を空へと向かってどんどん駆け上がる。
そして鎖の端から目の前に飛んでくるドラゴンへ向けてダイブした。
「てゃぁ!!」
同時に刀を抜いた二人はドラゴンの翼めがけて切りかかった!
グォォォォ!!
一瞬の交差の後、翼を切りつけられたドラゴンはキリモミしながら落下していく。
「静~!」
「誠司~!」
二人は空中で手と手を伸ばし……、手をすり抜け腕同士をガッチリとつかみ合った。
「でぇやあああ!」
セージは自分を軸にして空中で回転、シズをドラゴンへ向かって放り投げた!
ドラゴンへと向かいながらシズは刀を再び構え直し……
「心一刀……」
「一閃截鉄!!」
ザンッ!!空中で首を切り落とされ、ドラゴンは光の粒子となって四散した。
二人はそのまま落下していった。
下は湖、セージは迷わず飛び込んだ。
落下しながらシズは、濡れたく無いなぁ~、とか考えているとシズの手のひらにドラゴンの魔石がポトリと落ちた。シズは、
「風よ……」
呪文を唱えるとシズの体はふわりと風に舞いあげられ、水面の少し上で静止した。
だが魔法の効果はすぐに消え、そのままドボンと着水した。
「・・・」
仲間たちがセージ達が落ちたらしい、湖の方へと駆けていく。
「ああ~いましたよ」
真っ先にセージ達を見つけたのはリーゼだった。他の者も続く、そこには
「何でいつも最後の詰めが甘いのよ!」
「ちゃんと考えたから水の上に落ちるようにしたんだろ!」
二人は水をかけ合いながらケンカしていた。
「大した兄ちゃん達だな」
ギムレットが感心したように言った。
「俺はあそこに行けるんだろうか……」
ディランの横でクーノが呟いた
「そうですね、ほんの少し前に進む勇気と、そのための努力を惜しまなければ足は自然と前に進むものです。 どうします?」
クーノは固い決意で二人を見た。
「おーい二人ともさっさと上がってこ~い」
「セージさ~ん」
ファウナ達が呼んでいた。




