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異世界冒険記 ツワモノどものファンタジア  作者: マサオカ
第二話 冒険者の塔
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対決!飛竜

セージ達の前に新たなるモンスターが現れます。


外と同じくらいの時間にダンジョンの中にも朝は来る。

天井の明かりが、ご丁寧に徐々に明るくなっていき辺りを照らしていく。


 セージがいつもの朝の鍛錬を終えて野営地に戻ってくると、珍しく身支度を終えたファウナとリーゼが待っていた。そしてどういう訳かディラン達にギムレット達もいた。

「どうしたんだ?」

 一同の只ならぬ様子にセージは答えを待つ。

「おお兄ちゃんか、いい所に帰って来てくれた。まぁ、ちょっと来てくれや」

 連れられるままセージ達は森を抜け、草原の手前までやってきた。


「身を隠して、あそこです」

 林に身を隠すように、ディランが指さした先、草原の真ん中あたりに何やら青く光る”塊”が見えた。

「なんだ?」

セージは塊を凝視してみた。目、腕、塊の中に何か生き物のパーツが確認できる。

「何かが丸くなっている?」

「あれは、進化中のモンスターだ」

 隣で見ていたファウナが言った。

「翼の様な物も見えます。おそらくあれはAクラスモンスターワイバーン、それが進化するとなると……」

 ディランは、いつになく神妙な面持ちで言った。

「どうする?撤退も手だが」

 ギムレットが提案する。当然である今回は威力偵察で完全なパーティメンバー出来ていなかった。

「あーでも無理みたいですよ」

 リーゼがそう言った時、青く光る塊の中からゆっくりと長い首が顔を出した、やがて殻を割る様に大きな翼が広がっていく。

「グォォッォォン!!」

 咆哮が轟いた。それは鳥の様な翼をもった純白のドラゴンだった。


「きれい……」

 シズが思わずつぶやいた。純白のドラゴンはとても幻想的に見えた。

翼を広げたドラゴンがゆっくりと浮上する。まるで上昇するVTOL機の様だ。

「来るぞ~!!」

 ギムレットが叫ぶ!瞬間全員が四方に散った。

 ドラゴンがジェット機の様に突っ込んできた。セージ達の横を通過すると衝撃波の様な風を舞い上げ上昇していった。

 ドラゴンはさらに旋回を始めた。

「くそぅ来やがれ!」

 セージは刀を抜いて身構えた。

 ドラゴンがまた突っ込んでくる!セージも同時に飛び出す!

「でぇやぁぁぁぁ!!」 

 助走をつけ一気に飛び上がり、ドラゴンに切りかかるが、わずかに届かずセージの刀は空を切った。

「セージさん無理ですって相手は飛んでるんですよ」

 リーゼが離れた所から声を掛ける。

「だがな……」

 上手く逃げられるかわからないし、()()をこのまま放置しておくことも出いない。


 セージはドラゴンをよく観察する。ドラゴンは壁に沿ってグルグルと旋回していた。

「そうか、ここはあいつにとっては狭すぎるんだ」

 ドラゴンはダンジョンの外壁に翼をこする様に旋回していた。このダンジョンがどんなに広くてもあの、巨大化してしまったドラゴンには狭いのだ。

 進化したばかりでまだ自分の体をうまくコントロール出来ていない。倒すなら今だと思った。

 同じ所を回っているのなら、行動が予測できる。

 セージはドラゴンの出現方向に向かって刀を構えた。やがて予想通りにドラゴンが飛んできた。

「でやぁぁぁぁ!」

 セージはドラゴンに向かって駆け出して行き、全力で飛び上がり一気に刀を振り下ろす。

 スカ……、

 だが、今度も一歩届かず刀は空を切った。

 ゴォン!、爆風に吹き飛ばされセージはそのまま元の所に戻って来た。

「くそぅ、もう一回!」

 立ち上がり、セージはまだやる気だった


「無理に決まってるだろう!あんなのにどうやって勝てるっていうんだ!出来っこない!」

 そう叫んだのはクーノだった。

「おい少年、無理とか出来ないとか軽々しく使うな。限界は他人が決める事じゃない、自分が無理と感じた所が限界なんだ!だから簡単にあきらめず、あがいて見せろ!」

 売り言葉に買い言葉、彼はセージに勝ちたかったがドラゴンに突撃する勇気は無かった。だからせめてセージがドラゴンから逃げ出せば、彼も限界のある人間だと思いたかった。だから諦めさせたかった。

「何をどうしろっていうんだ!空を飛んでんだぞ、剣だって届かない、ちょっと考えれば分るだろ!」

「ならもっと考えろ!この世界は魔法だ何だと非常識な事がいっぱいある!だから!……、そうか魔法か」


 セージは少し考えると。

「ファウナ!あれ…、あの鎖を出すやつ使えるか?」

「鎖?、ストリングか?。ふふ~ん任せろ!私なら一度に六本まで出せるぞ」

 珍しく頼られたのがうれしかったのかファウナはどや顔で言った。

「二本でいいから、どのくらい伸ばせる?」

「五十メートルくらいかなぁ、でもアレには届かんぞ」

「いや、それで十分だ。静!」

「分かったわよ!」


 シズはセージが何をしようとしているのか察したのか、立ち上がった。


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