ダンジョンの戦闘
戦闘開始
「はぁぁぁぁ!」
セージとシズは同時に飛び出した。こういう時のコンビネーションは良かった。
現在パーティ一行はオオカミ型モンスターの強襲を受けていた。
モンスターとはダンジョンの奥にある”コア”から生み出されるガーディアンで生物では無い、形もオオカミの形をした動く鎧の様な物である。
そして魔力で動くモンスター達は自ら魔力を生み出す事が出来ず、魔力を得るため魔力を持った人間を襲うのである。
前衛は真っ先に飛び出したセージとシズが行い、真ん中にディランとギムレットの二人、後衛に残った術者たちが固まった。少人数とはいえ3パーティ揃うと壮観な布陣だ。
新人冒険者のクーノは後衛の前にいた。術者たちの守りと言えば聞こえがいいが、安全な所で先輩たちの戦いを見てなさいね。と、いう事は彼自身も分かっていたが……、目の前で同い年の二人にこうも活躍されると彼とて、焦りもした。
「くっ!」
気づいた時には飛び出していた。前に出てオオカミの一体に突撃していく!狙いを定め剣を振り下ろすが、オオカミはすんなりとかわし逆に横合いから体当たりを食らってしまった。
倒されて食いつかれようとしたその時、横から出現した盾がオオカミを付き飛ばしていた。そのまま彼の目の前をディランが通り過ぎ右手の剣でオオカミの喉元を切り裂きとどめを刺した。
「大丈夫ですか?」
クーノは何も答える事が出来なかった。
「ストリング!」
魔術師が呪文を唱えると地面から鎖が伸び、近くにいたオオカミを拘束した。
「フンッ!」ギムレットがすかさず両手剣を振り下ろすとオオカミは真っ二つになった。
「おお凄いな、あれ」
セージは五体目のオオカミを切り伏せながら物珍しい魔法に感嘆した。
「がんばれ~」
「お前らも少しは働けよなぁ~!」
先ほどから後ろの方で何もしてない二人に言う。
「なんだ私の魔法が見たいのか?いいだろう」
ファウナが、かわいらしい八重歯をキラリとさせながら言った。珍しくやる気だ。
「我が右目に封印されし暗黒の王ダークマスターよ……」
前髪を書き上げ、普段隠している右目をきらりと見せ杖をカッコよく構える。
「漆黒の炎よ大いなる闇の中より出しダークマターの迷宮より闇の……、はぎゅ!」
そのまま小さくうずくまった。どうやら舌を噛んだらしい。
「あ~あ、だからスペルコードは短くって言ってるのに、治しましょうか?」
リーゼがファウナの背をさすりながら言う。
「ふるひゃい~」
それを見ている者がいた。黒づくめの自称賢者である。
『何であんなに長い詠唱が要るんだ。中二病か?』 ボーとした頭でそんな事を考えている。
俺なら‥‥、手を出してみる‥‥炎の球が出現した。
この世界に来る異界人は例外なく神様から膨大な魔力をもらっているのでイメージさえ出来ればこの程度も魔法は簡単に使える。
それをオオカミの方へ投げてみた。球は勢いよく飛んで行ったが、狙いまでは上手く付かなかった。オオカミと戦っているギムレット達の方へ飛んで行った。
「うぉっ!あぶねぇ」
ギムレット達は避けた。間一髪オオカミも避けた。
バカやろ~!。と、いう罵声を浴びながら、この異界人は何処かへ行ってしまった。




