ダンジョンの冒険者達
ここから冒険の始まりです
「ここがダンジョンの中なのか?」
セージは周りを見渡しながら言った。そこはダンジョンの中とは思えないくらい広い森の中で、上を見上げれば、はるか彼方に天井らしきものが見えるが、明るく、昼間の様に辺りを照らしていた。
「そうだ、ここは5階層ぶち抜きの森林エリアだ」
ファウナがそう言った、おそらく彼女たちは初めてでは無いようだ。驚いているのはセージとシズとあのクーノとかいう少年だけだった。クーノはしばらくボーと周りを見ていたがセージと目が合うと慌てて怒った顔で目をそらした。セージはなぜ彼に嫌われているのかわからなかった。
「いや~せっかく苦労して手に入れたカード、使えませんでしたね」
リーゼがカードをひらひらさせながら言った。
「どうせまた罪もない異界人から奪ったのでしょう」
ヒースが入り口横の魔石にカードを軽く当てながら言った。これでまたカードが使えるようになるらしい。
「どうせあの人にはもう使わないカードなんですから有効利用ですよ」
周りには何組か先に到着した冒険者達がいた。一組目は戦士二人、魔法使い、僧侶のいかにもベテランらしいパーティ。
「よおディラン、あんたらもやっと来たかい」
リーダーらしき30代くらいの大男の戦士が声を掛けてきた。
「やあ、ギムレットさんこちらはまだメンバーが到着していないので今日は新人と様子見ですよ」
どうやら知り合いらしい、顔に似合わずこの大男のパーティはフレンドリーだった。
次のパーティは、黒髪、黒いコート、腰に刀の青年、異界人だ。
そして、仲間は何と猫耳!ビキニアーマー!……を着けた屈強な大男が二人、いや、この世界ではこんな女性がいるのかもしれない、セージには二人の性別が分からなかった。
おそらくリーダーであろう異界人がセージの方を向き、驚いたように「ちくしょ~あんなカワイイ子いたのかよ~」とか「SSレア引きやがって~」とか言っていたが聞き取れなかった。するとリーゼがセージの耳元で、
「あ~、あれは奴隷を買っちゃいましたね~」
「奴隷?」
「はい、異界人の方はコミュニケーション能力ゼロの人が多いですからね~、自力で仲間を見つけられず、最後に行き着く先がお金で仲間を買える奴隷市場というわけです」
「嘆かわしい」
「でも、かわいい従順猫耳ロリ奴隷を期待して行くとそこは畑違い!、居るのは冒険者用マッチョな怪物ばかり、あとは店長の口八丁手八丁で気づいた時にはお買い上げ~、となるわけです」
すると、ビキニアーマーの一人がこちらに気づいたのか近づいてきた。
「あら、かわいい見た所あなたも異界人?」
「ああ…そうだが」
普通の大男は平気だがセージもこういうのは苦手だった。ビキニアーマーはセージを値踏みするように見ると。
「身体強化はしているも?」
「いやしてないが」
そう答えると、「あらそう」と興味を無くしたのか戻っていった。
「どういうことだ?」
「身体強化すると丈夫になりますからねぇ…おしりとか」
「?」セージには意味が分からなかった。
最後の一組は一人だった。この世界では”ソロ”と言うらしい。
そしてまたしても全身黒ずくめの格好に黒髪の青年、異界人である。だがボーとしていた、目が死んでいた、拘り合いになりたくなかった。
「あれは無視しましょう」
セージが思っていたことをリーゼが代わりに言ってしまった。
「さて、何処へ向かう?」
「少し行った先に湖があるからまずはそこを目指そう」
ファウナの指示通りに一行は湖を目指す事となった。他のパーティも行先は同じみたいだった。
かくして一行はみな同じ方向へと進み始めた。




