ダンジョンへ
いよいよダンジョンに入ることを決めたセージ。でもそこに最初の試練が立ちはだかります。
「兄さん見た所、相当な実力者だねぇ、俺もこの商売を長くやっているが、兄さんほどの冒険者にはなかなか会ったことが無い。だが残念な事に一階や二階のモンスターはザコばっかりで兄さんの実力が出せる高ランクモンスターは現在攻略中の地下32階層まで降りなけりゃならない、普通に歩いたんじゃあ何日もかかる距離だ。そこでこのカードだ。ダンジョンの1階層の奥には1度行った階層へ行ける転送エレベーターがあってねぇ1回しか使えないが32階層でまたチャージ出来る。こいつは昔俺の仲間が苦労してチャージして来た物だ、だが兄さんになら安く譲ってもいいんだぜ」
「…いや、俺1階層でチマチマやるんで」
ダフ屋の長い説明を、バッサリと切ってセージは答えた。
次の日、ダンジョンに入るべく準備を整えたセージは、あのダンジョンのデカいゲートの前のコロセウムの中で、リーゼとファウナの二人を待っていた。
そこに二人がやって来た。ダフ屋はやれやれと次の客を探しに行った。
「どうしたんですか?」
「まぁだいたい察しはつくが…、だいたいあんな物持ってるから素人だと思われるんだぞ!」
ファウナがそう指さした先には、セージの持参したデカいリユックがあった。軽く10キロはある。昨夜、準備しながら兵役時代を思い出しつい楽しくなって積み込んだものだ。駆るく三~四日は行軍できる。
「リーゼ」
「はいなぁ」
そういうとリーゼはセージの手を取り素早く空中をタップ現れたウィンドウ画面にアイテム→収納と軽く操作するとセージの荷物はスッっと消えた。
ステータスウィンドウの便利機能”アイテムボックス”である。
「…!?」
セージは驚いている。
「あとでちゃんと教えますから」
現在のコロセウムは、冒険者や一般人、様々な人が行き交い、とてもこの前命懸けのバトルをした場所とは思えないくらい、今は大勢の人と、周りには道具屋などの屋台が並び賑わっていた。
「で、何処に行っていたんだ?」
「ああこれですよ、道具屋で購入した一番安いカード」
リーゼはひらひらと先ほど購入したカードを見せながら言った。
「またカードか」
「これはダンジョンの第一階層内なら何処にいても入り口付近まで運んでくれる魔法のカードです」
「ふ~ん」
軽く相槌を打ちながらもセージは、この二人なら初めから32階層へ行くと言い出しそうだったのに、1階層のカードという事は初めから無理はしないようだと、拍子抜けと同時に安堵もしていた。
「さぁ、それでは冒険に出かけましょう♪」
リーゼが勢い良く手を上げた。




