第1話 知らない世界でカツ丼よ!! (前編)
ドーモドーモ〜
注意⚠
この話ではまだ料理要素まだ出ません。
来月予定している後編で料理要素が出てきます。
少女が見た光景で驚いたのは、そびえ立つビル街…ではなく街を歩く人達だった。
「なんで………ケモ耳がいたり、耳が異様に長い人達がいたりするのよ!?」
そう、少女が街中で驚いたのは、猫や犬などの耳としっぽをつけた人や、耳が異様に長い人。はたまた、今度は角が生えている人もいる。誰だって、驚くか混乱するだろう。それこそ街中で大声を出すくらいには。
(いやいや、なんなのよここ!?ここって東京じゃないの!?もしかしてコスプレデーとか?)
そう思いながら、しゃがみ込んで頭をブンブン振り回している少女。はたから見たば、ただの頭オカシイ人である。実際、周りの人達はなんか可哀想な目で、遠巻きに彼女を、見ている。
自分の見間違いと信じて、頭を振り回すのを止め、周りを見るが……やはり目にうつるのは、ケモ耳が生えていたり、耳が長かったり、角が生えていたりと、彼女の常識の外の人が可哀想な目でこちらを見ている光景だった。
「Noooooooooo!!」
余りにも非日常的な光景に今度は叫びながらコンクリート製であろう壁に、頭をガンガンと打ち付ける少女。いや、ガンガンではないな、ゴス、ゴスだな。
「そこはどうでもいいわ!!取り敢えず、なんなのよココはー!!」
いきなり奇っ怪な行動をしたかと思ったら、今度は誰かに向かって叫んだ少女にビックリしている周りの人達。「ママー、あれ何ー?」「シッ!見ちゃいけません!」と子供の目を隠しながらどこかへ連れていく、お母さんの姿がある。
ひとしきり叫んだら落ち着いたのか、何やらファンファンファンファンと騒がしい音が遠くから聞こえることに気付いた少女。何事かと見ると遠くからパトカーが見えるではないか。パトカーの存在に気づき、やはりこの世界は自分が知る世界だと思った少女。だが、現実は……
「一緒に署に来て貰えるかな?お嬢ちゃん?」
そう言われ、犬の耳をつけた男の人に手錠をかけられる少女。
「ええーーーー!?」
そうは甘くは無いようだった。
「だーかーらーー、私も何も分からないのよ!気がついたらあそこの路地裏にいて、路地裏を抜けたら、意味分かんない光景が目の前にあったんだからそりゃああなるでしょうが!大体なんで直ぐに手錠をかけたのよ!非常識すぎるわよ!」
「何も分からないがあるものか!お前がいきなり声を上げたかと思ったら今度は俯いて、その次は叫んだ!お前の意味不明な行動で周りが通報してこうなってるんだよ!手錠をかけたのはお前の行動のせいだ!分かったか!!」
「分かるか!」
「なんだと!」
「なによ!!」
お互いにガルガルと火花を散らしながら唸っているのは、警察署であろう所の一室。恐らく取り調べ室だろう。テーブルを挟んで2つの椅子が対面になるように置かれている。取り調べをうけているのは先程の少女で、取り調べているのは、犬耳をつけた先程の警官だった。
ひとしきり唸ったら落ち着いたのか、お互いイスに深く座り直し対面の人を見た。
「はぁ、お前さんみたいな騒ぎを起こす小娘は始めてだ。」
「ムカッ!そういう私こそ犬耳付けてるオッサンの警察何て初めてなんですけど~?」
ため息を吐きながらつぶやくように言った警官の態度にイラッと来たらしい。煽るような口調で言い返す少女。というか、ため息ではなく絶対に『小娘』発言にイラついただろうこの小娘。まあ、この小娘ちょっと大人ぶりたいお年頃なのだから仕方ないか。この小娘。
「さっきから小娘小娘うるさいのよ!」
「うるさいのはお前だこの小娘!」
「ああ!!また小娘って言ったわね!私はもう15よ!小娘じゃないわこのオッサン犬!」
「どっからどう見ても小娘じゃないか…」
そうだそうだー、この小娘~。
「やかましいわ!!それにここは何処なのよ!」
「ここか?ここは東市栄東区のアキバという町にある警察署だが?」
「はぁ………?」
警官のそんな言葉に思わずフリーズしてしまう少女。いやまあ、さっきまで東京の都心部でトラックに轢き殺されたと思ってたのに気づけば場所どころか夢としか思えない場所にいるのだから。
少女のその反応に疑問を覚えた犬耳の警官は、次の質問をする。
「それじゃあ、小娘、お前は何処から来たんだ?」
「私?私は東京都の千代田区よ。私はそこでトラックに轢かれたはずだったのよ」
基本的に一月に1話のペースの予定です。