プロローグ
むかしむかしあるところに、力の強い"魔王"がおりました。
それはもう普通の人の手には負えないほど力をもった"魔王"でした
…が人に危害を与えたことが一度もなく、人々は普通に生活をしていました。
…18年前までは。
あろうことか"魔王"は王女に一目惚れし、王女をさらっていってしまったのです。
そこで王様は勇者を探し、遂にある村で見つけ出したのです。
さっそく王女の救出に向かった勇者ですが"魔王"はとても強く
勇者は勝つことができませんでした。
-8年前
???「俺の父さんは王様に飽きられて勇者を辞めたんだって。
…だから、俺は勇者になれないって言われたんだ。」
???「あなたは、どうして勇者になりたいの?」
???「"魔王"を倒して、王女様を助けてあげたいからだよ。
きっと助けが来るのを待ってると思うから!」
???「そっかぁ。優しいんだね」
???「違うよ。俺はただ父さんを越えたいだけ…だから。
それにきっと王女様も
父さんに助けてほしいと思ってるだろうし…」
???「そんなこと思わないよ!
それにやっぱりあなたは優しいよ。
…私、あなたのこと待ってるね。」
???「え?」
???「ねぇ名前なんて言うの?私はユキ。あなたは?」
???「俺は--」
俺はあの日の夜、夢だった2代目勇者になった。
…本来俺がなることのできないはずの勇者に。
この時に気づくべきだったんだ。
なぜ俺が勇者になれたのかを。
この時に知るべきだったんだ。
そして、ユキが何者だったのかを。