買い物
門を通過したものの、質屋の場所がわからない二人。
そこでラスタは彼に聞いてくるように頼んで、広場で待ってると言った。
「質屋ですか?」
「ああ、そうだ」
「それならここを真っすぐいってから次の次くらいの角を右に曲がった先にありますよ」
「そうか、教えてくれてありがとう」
「いえいえ、ここは良い街なので観光を楽しんで下さいね」
俺はラスタのいる広場に戻った
「質屋の場所わかったか?」
「ああ」
「そうか!いやー助かったよ」
こいつのせいだというのになんて奴だ。イラついたから一発殴ってやった。
「いって!何すんだよ!」
「こうなったのは元はと言えばお前のせいだろ。これくらいはして当然だ」
「グッ・・・」
ぐうの音もでないようでいい気味だ。
~質屋~
「いらっしゃいませ。何をお売りになりますか?」
「そうだな、これを頼む」
と言ってラスタはさっき言ってた宝石を質屋のマスターに見せた。
「これは・・・とても希少価値のある宝石ですね。本当にこれを?」
「そんなに珍しいのか?」
「ええ、この宝石が取れるのは年に2~3回。しかもとても硬くて美しいという代物です。なぜこれをお持ちになっておられるのですか?」
「あー・・・。それは野暮な質問だぞ、マスター」
どこかのお偉いさんが言うようなことを言うんだな。
「そうですね、申し訳ありません」
このラスタの全力でなりきってる感を見てるだけでも面白くて笑いを堪えるのに精一杯で喋ることができない。
「高く売れたな。これで何か月か持つんじゃないか?」
「それにしてもあの商人は良いもん持ってたな。助かるぜ」
ラスタがそう言う。まあ俺たちは運が良かったようだ。
「フッ、そうだな」
「それじゃあ武器と食料を買いに行くか!」
~武器屋~
「おお・・・」
武器の美しさに見とれるラスタ。こいつはこんな弱そうな顔もできるんだな。
「へいいらっしゃい!何を買うんだい?」
武器屋の店長らしき人が聞いてくるので俺は
「じゃあこのマートソードってやつを頼む」
「これかい?いや~良い物に目を付けるねぇ~!これは丈夫で軽い、そして切れ味もいい代物だぜ!」
「そうなのか?じゃあこれを1つ頼む」
「まいどあり!値段は・・・」
~食料屋~
「美味そうだな」
ラスタが言った。
「そうだな、見てるだけでも腹が減ってくる」
「こっそり食って捕まんなよ?」
「それはこっちのセリフだ」
「いや~!沢山買ったな!」
バッグに荷物をぎゅうぎゅう詰めにしながらラスタが言った。
「そうだな。これならしばらく持つだろう」
「それじゃ、お待ちかねの観光タイムとしようぜ!」
いよいよ観光タイム。
物を買う前に観光したほうがよかったんじゃないかな。